泉鏡花『夜叉ヶ池』より
恋とエゴのお話。戯曲です。
最愛の人の命と八千人の命とを天秤に掛けられたら、迷わず愛しい人を取る。
命を棄てても、また奪っても厭わぬ程の恋とはどんなものなのでしょうね。夜叉ヶ池の白雪姫はもとより、百合さんも藤原さんも情熱的で驚きます。
鐘つきの約束を迷信と嗤う村人達が旱に生け贄を捧げようとする滑稽さも相まって、短くも色濃いお話でした。
それにしてもいつもながら構成の美しさに舌を巻きます。白雪に対しての疑問が最後に解消されたのもなるほどな、と。
[2023.02.14]追記
作り直してみました。構成はほぼ同じですが素材を変えています。
池を飛び立つ姫様をイメージして、玉子豆腐で池を作成。
実は先日たまたま「米艶」という卵を入手しまして、これは作り直すしかないと。この卵は黄身がパステルイエローのような淡い色なので全卵使っても白っぽい玉子料理を作れるのです。何でも鶏にお米を食べさせると黄身の色が淡くなるのだそうですよ。
閑話休題。玉子豆腐の池の真ん中にダシをきかせたあんを注ぎ、豆腐を割るとあんが溢れるようにしてあります。鰹節と粉末状にした味噌は旱のイメージ。
真ん中に湯通しした長葱とうずらの卵で串ものを添えてみました。白い龍らしく見えるでしょうか。