『彼は突然湯河の手頸を掴んでぐい、、と肩でドーアを押しながら明るい家の中へ引き擦り込んだ。電燈に照らされた湯河の顔は真青だった。』


谷崎潤一郎『途上』より


日本のミステリ小説黎明期を語る上でかかせない谷崎潤一郎先生の作品です。このお話では読者は推理しないので、ミステリ小説というよりは犯罪小説でしょうか。名探偵の手により徐々に暴かれていく湯河の犯行。場面としては二人が歩いているだけなのですが、薄暗い場所から始まり、全て暴かれ光の中へ曝されるのは舞台装置が少ないだけにシンプルに響きますね。怪しい紳士と男の立場が探偵と犯人に入れ替わっているのも流石です。



[2023.08.03]追記
「徐々に明るみに出る」という基本的なコンセプトはそのままに作り直してみました。
今回作ったのは奥から順に、水まんじゅう、寒天寄せ、ゼリー寄せです。中身は全て共通で、足の早いなめろうを入れてあります。寒天液やゼリー液が熱い内に入れたのでミディアムレアになっていますが半生なので良しとします。殺菌効果のある新生姜の甘酢漬けの漬け汁をそのまま付け汁に。
ヌーディーカラーで纏めたかったので新生姜も色が付かないよう作り直してみました。