『光秀は最期の眼を見張った。波多野の武士も、その指物も、それらを照らす篝火も消え失せていた。そこには暗い闇があるばかりで、辺りを車軸の雨が叩いている。』
井上靖『幽鬼』より
本能寺の変の前後、波多野一族の幽鬼に捕らわれた明智光秀を描いたお話。
静かに、淡々と追い込まれていく。
文章は凄味というのか、迫力を感じます。構成が巧みなのでより胸に迫ってくる感じがあるのかもしれません。
今回は鯖寿司を作ってみました。
シャリには刻んだガリと白ごまを混ぜ込んであります。間に大葉と締め鯖を挟みました。
周りのおぼろ昆布と湯葉は出汁碗に入れて醤油を一垂らし、汁物として。またはポン酢で。
まず幽鬼を何で表すかでおぼろ昆布と湯葉が決まり、それなら水色桔梗は青魚にしようと今が旬の鯖にしました。