『「こら、罪人ども。この蜘蛛の糸は己のものだぞ。お前たちは一体誰に尋いて、のぼって来た。下りろ。下りろ。」と喚きました。
その途端でございます。今まで何ともなかった蜘蛛の糸が、急に犍陀多のぶら下っている所から、ぷつりと音を立てて断れました』
芥川龍之介『蜘蛛の糸』より
日本人の大半が知っているであろう、芥川先生作の児童文学です。
極楽の御釈迦様が、地獄の犍陀多に垂らした蜘蛛の糸。それは生前に蜘蛛を助けるという犍陀多唯一の善行により与えられた、ただ一つの救いの道でした。
しかし犍陀多が利己心を剥き出しにした時、糸は切れ、再び地獄に落ちてしまいました。御釈迦様は悲しそうな顔をされ、池の散策に戻られます。
利己心は時に己の首を絞める。
自分のことばかりにはならないよう気を付けたいですね。善行には報がある。そして無慈悲な行いには罰がある。仏教はほぼ未知の領域ですので、宗教的な部分はよく分からないのですけども。
[2022.11.13]追記
作り直しました。2回目。
地獄をイメージしたソースに蓮を模した温野菜のペコロス、素麺で糸を表現。
料理なので美味しさを追求しつつ地獄的な辛味も併せて追求した結果、激辛チャレンジな一品になりました。ペコロスの自然な甘味が箸休め。
このハーブ、蓮の葉と形が似ているので絶対に使いたいと思っていたのですが、なかなか見付からずにずっと探していたのです。
それもその筈、Nasturtiumをずっと和名の「オランダガラシ」で探していたのです。アホ過ぎる。そのまま「ナスタチウム」で探せば良かったのですね。