『桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる!
これは信じていいことなんだよ。何故つて、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことぢやないか。』
これは信じていいことなんだよ。何故つて、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことぢやないか。』
梶井基次郎『桜の樹の下には』より
爛漫を謳う命の裏側にあるもの。凄惨でありながら詩的な文章。
生を謳歌するものへ嫉妬、のような靄がかったものを感じたのは多分気のせいではないと思うのです。病気をしていると嫌でも考えてしまいますしね。梶井先生がどうだったかは分かりませんけども。本当はどう思っていらしたのか、叶うならば聞いてみたいです。
最終章が削除されたことに対する考察というか思い付きですが、単純に、自分が本当にそうなってしまいそうで恐かったんじゃないかな、と思いました。何となく。
今回作ったのは、真ん中に桜ゼリーを入れた桜レアチーズケーキ、ダークチョコレートの桜の樹、飴細工。
レアチーズには桜パウダーを練り込んでいます。ゼリーには桜の花びらを入れてみました。花びらは薄羽かげらふの翅、ゼリーと飴細工は水晶のやうな液をイメージしています。
この作品からはあまり色を感じられずほぼ透明に見えるので、それを表現してみました。
[2019.03.31]
味について書いていなかったので追記。
レアチーズケーキにもゼリーにも、桜の風味とほんのり塩気があります。甘さ控えめ。
ほろ苦いダークチョコレートをパリパリ割って、ケーキとゼリーと一緒に食べるのです。