『竹
ますぐなるもの地面に生え、
するどき青きもの地面に生え、
凍れる冬をつらぬきて、
そのみどり葉光る朝の空路に、
なみだたれ、
なみだをたれ、
いまはや懺悔をはれる肩の上より、
けぶれる竹の根はひろごり、
するどき青きもの地面に生え。』
『およぐひと
およぐひとのからだはななめにのびる、
二本の手はながくそろへてひきのばされる、
およぐひとの心臓はくらげのやうにすきとほる、
およぐひとの瞳はつりがねのひびきをききつつ、
およぐひとのたましひは水のうへの月をみる。』
『貝
つめたきもの生れ、
その歯はみづにながれ、
その手はみづにながれ、
潮さし行方もしらにながるるものを、
浅瀬をふみてわが呼ばへば、
貝は遠音にこたふ。』

叫びのような、泣き声のような、唄のような。
そんな詩集です。
澄んだ剥き出しの感性。
今回作ったのは、筍のお刺身、蛤の白ワイン蒸し、コハダのみぞれ和えと素麺、茄子の漬け物。
素麺つゆは茄子のお漬け物のつけ汁、出汁、味醂、酒。
梅酢がソースとして使えるなら茄子のお漬け物のつけ汁も美味しいのではと思い立って作ってみたのですが、茄子の風味と出汁の旨味が合わさって良いお味。お漬け物のつけ汁は出汁と合わせれば大体つゆに使えそうな予感です。
朔太郎先生の作品が青白く透き通っている印象だったので実行してみたのですが、良き試みでした。
散らしてある花弁はドライの矢車菊です。
味はなく、文字通り花を添えて貰いました。
抗炎症作用があるハーブで、喉の痛みや咳止めに効果があるそうです。眼精疲労や口内炎にも良いそうな。