『下人の行方は、誰も知らない。』
芥川龍之介『羅生門』より
下人はいつか自分が捕まった時、老婆と同じことを言うのだろうなと、ふと思ったのです。
生きるために仕方ないからと言って、悪でないことにはならない。下人もそれが分かっているから勇気が出なかった。それがじわりじわりと容を変えていく。
『夕闇は空を低くして~』の描写が好きです。下人の心理と繋がって読者の胸に迫り落ちて来る。
[2019.12.22 追記]
去年作ったものを作り直してみました。
今回の一皿のテーマは『こそげる』『削ぐ』『染まる』。
土鍋で炊いた炊き込みご飯のおこげ部分に白髪ネギ、ささがきのきんぴらごぼう、鶏皮せんべい。
個人的にこのお話は檜皮色のイメージが強いので、全体的に茶色です。檜皮色っぽいのがおこげだけなのは気にしない。
白髪ネギ、少し上手くなった気がする。