『風立ちぬ、いざ生きめやも』


堀辰雄『風立ちぬ』より


死に向かい合うお話。儚くて強くて脆い。人が亡くなるお話なのに悲壮感をあまり感じないのは、風景描写の美しさ、それに瀟洒で独特な文体が分かりやすく『物語』なのと、何より死に方ではなく二人の『生き方』を描いた作品だからかな、と個人的に感じています。
小説を読んだというよりは絵画を観ているような感覚がしました。




今回は主に引用した場面をイメージして作りました。
飴細工で風を、アイスクリームで雪を、わたあめでちぎれちぎれになって飛ぶように過ぎる雲を、それぞれの素材でその瞬間の美しさを表現出来たらなあと思ったのです。
脆さ儚さの表現はそのまま時間との戦いでした。頑張った。 

※飴細工の細い部分は空気中の水分でも溶けていくので注意