『おい地獄さ行ぐんだで!』 


小林多喜二『蟹工船』より


この作品を食事で表現するという無謀さ。しかし何事も挑戦とやってみました。

陰惨で、鈍器で撲られる様な重みがあるお話ですが、読んで良かったと思う本の一つです。
それと、個人的に附記には多喜二先生の負けん気の強さを感じました。
このお話、附記が無くても成立しているのですよね。何故付けたのだろうと考えた時にそう感じたのですが、実際はどうなのでしょう。



作中で漁夫の食事に出て来る南京米は炊き方を勉強して蟹出汁で炊いてみました。竹の皮でくるみ、氷と隣合わせにして段々冷飯になって行くようにしました。
身体を冷やさない様に、これまた作中に幾度か登場するウィスキーを添えて。
蟹はほぼそのまま。

美味しく出来たのですが、段々冷えて行く南京米を食べていると作中のあれやこれやが思い出され、何とも言えない気持ちになりました。