告知
ようやく母の遺品整理の目処がつき、仕事に復帰して日常が戻ってきた7月6日。
この日は母のはじめての月命日だった。
その夜テレビでおっぱい体操を紹介していたのでなんとなく自分でも真似してやってみた。
やっているうちに右のおっぱいの脇の方に小さなしこりを発見。感覚的に1cmくらいかな?という程度だった。
まさかね、と思いつつも夫に乳がんかも…。と伝えた。
少し怖くなって職場の先輩にLINEで相談してみた。
当時私は小学校の支援員をしていて、先生方ともまぁ仲良くやっていた。
先輩は、仕事は気にしなくていいからすぐ病院に行っといで!と言ってくれたので、早速休みをもらって母がお世話になっていた病院に行くことにした。
7月7日、病院を受診。マンモグラフィーとエコー、それから触診。やっぱりしこりの影があるのと触診にも触れたようなので、そのまた次の日に細胞検査をした。
結果は約10日後とのことだった。
当時の心境はあまり覚えていない。
とにかく子供たちのことが心配だった。
あまり考えないようにして10日余りを過ごし、7月19日午後、病院から電話がきた。
検査結果を聞く時にはご家族といらしてください、とのことだった。
あ、ガンなんだな。と思った。
7月20日、夫と一緒に検査結果を聞きに行った。
案の定先生が、
「よくない細胞がありました。」
「あーそうですか。」
と、私。
自分でも驚くほど冷静に答えていて逆に引いた。
夫は元々あまり感情を表に出さない人だが、今回も冷静に受け止めていた。
帰り道、
『なっちゃったもん、治すしかないしょ。』
と、夫婦で見解が一致。
心配なのは相変わらず子供たちのことだった。
中2の娘と小6の息子。
さて、どうやって伝えようか。
結局、会話の中でさらっと伝えることにした。
ご飯支度をしながら、
「お母さんねー、乳がんになっちゃった。
でも初期だから全然平気。
これから治療だからー。」
とありのまま伝えた。
娘は、死なないんでしょ?と、少し不安げ。
息子は、あー、ンガね。と、ふざけた返答。
あまりわかっていないのか、わざとおちゃらけているのか。
私にはそれがありがたかった。
ギャン泣きされても困るし。
家族でなんとなく治療頑張ろう!で、なんとなく一致団結した。