超ブラックな次女の職場に一陣の風を巻き起こし、正直なところ、会社的には損害だけを残していった、次女の友人⋯⋯。

「辞めた」とも言えない勤務状況だったのだけれど、それでも4時間×4日間は出勤していたので会社としては提示した時給×16時間と、4日分の電車賃は払わなければならない。

さすがに、それをバックれる程のブラックではない。


で、まずはその手続きの為に彼女に電話をした上司。


「お給料を振り込む手続きのためにマイナンバーを知りたいのだけれど教えてくれる?」


正直、「マイナンバーは人に知られないように」と周知しているわりにこの制度はどうか?と私自身は常々思ってはいるのだけれど現実問題として、今、どこかに就業しようとすると必ずマイナンバーを登録しなければならないから、これ自体はなんらおかしいことでは無い。

その上司の言葉に彼女、


「あ、私にはマイナンバーありません」


と、答えたんだそうな⋯⋯。

ちなみに、彼女、お母様は韓国人だけれど国籍は日本人。

これはマイナンバーカードを持っていない、という事だろう、と判断した上司、


「いや、カードじゃなくてね、お家にマイナンバーカードの連絡きてるでしょ?その番号を教えて欲しいんだよね」


と、再度噛んでふくめるようにいったのだそう。

そうしたら、彼女、


「そんなもの、来たことありません」


これには呆れて上司が思わず次女に愚痴ったらしい。

次女、ひたすら恐縮。


この問題がどう解決したのかは部外者の私にはわからないのだけれど、もろもろの手続き書類を作り、切手をはり返信の宛名まで書いた返信用封筒まで同封し、投函したものの返信が昨日届いたのだとか。

また、次女は上司に愚痴られたらしい⋯⋯。

今度は何を仕出かしたか?と言うと⋯⋯。


一応、企業からの自社宛返信用、なので宛先は「〇〇行」と書いてある⬅️当たり前

彼女から返ってきた返信、そのまま。


「もういい大人なんだからさ、行を二本線で消して御中に直すのぐらい常識だろう?」


との、上司の言葉に次女、ひたすら恐縮・再度。


長女にこの話をしながら、次女、


「ねえちゃんは幾つぐらいからちゃんと御中に直してた?」


長女、


「私は中学の時には懸賞応募の葉書すら御中に直してたよ」


当たり前だよねぇ⋯⋯。

私は自分で宛名書きできるようになったらこういう常識は親から叩き込まれた。

子供たちにもそのように教えたつもり。

それとも今の親はこんなこと、教えないんだろうか…?

長女は初めて友人の結婚式の招待状を貰った時、失礼のないようにネットで返信用の葉書の書き方から御祝儀袋の選び方、なんなら入れるお金がピン札にすべきかどうか、まで調べまくってたけれど。

あの頃、たぶん20代前半、今の彼女とほぼ同じ。


私が結婚式の招待状を貰った時、職場の先輩に教えてもらったのは、


「出席に〇をしたら、一言、『綺麗な花嫁姿を楽しみにしています』と添えるものだよ」


と教わったのだけれど、今はどうなんだろう⋯⋯?


まぁ、結婚式の招待状はそれぞれやり方とかあるだろうし、ともかくとして、企業宛の書式にそんな大差があるとは思えない。

なんだか一般常識がない、ってこうやって知らんとこで人からディスられるんだなぁ⋯⋯と、怖くなった。


彼女は馬鹿では無い。

むしろ、学力底辺だった次女より何十倍も頭はいい。

つくづく、学力の賢さと生活していく上での賢さは別なんだ、と痛感した。


次女は会社の彼女への支払いが済んだら静かに彼女からフェードアウトする予定、らしい。

まぁ、常識のない子はこの先もどんな迷惑をかけられるかわからないからね、致し方無し⋯⋯だよね...。


改めて、こういう社会的な一般常識を過度な程に叩き込んでくれた両親に感謝した。