[いびきのある小児は行動上の問題を生じやすい]
(HealthDay News 2012年3月5日)
睡眠中にいびきなどの呼吸の問題がみられる乳幼児は、7歳までに多動や
不注意のほか、不安や抑うつなどの情緒的問題、規則破りや攻撃性などの
品行問題、交友関係の問題など、行動上の問題を生じるリスクの高いことが
新しい研究で示され、医学誌「Pediatrics(小児科学)」オンライン版に
3月5日掲載された。
研究著者である米アルバート・アインシュタイン医科大学(ニューヨーク)
家庭・社会医学教授のKaren Bonuck氏は、「親は子どもの睡眠に十分な
注意を払う必要がある」と述べている。
今回の研究では、英国イングランドにおいて1万1,000人強の小児を生後
6カ月から6年間追跡、評価した。
幼児期のさまざまな時点でいびき、口呼吸、無呼吸(睡眠中に異常に長い
呼吸停止)などいわゆる睡眠時呼吸障害について親に尋ねたほか、4歳および
7歳時に行動に関する質問票を記入してもらった。
症状のピークのみられた時期によって小児を4群に分けて検討した結果、
ほとんどの群で情緒、品行、交友などの問題が生じるリスクが高く、例えば
睡眠呼吸障害が「最も重症」とされた小児は7歳の時点で多動が85%多く、
情緒または品行の問題が約60%、交友関係の問題が約40%多かった。
早期(6カ月または18カ月)に症状のピークがみられた小児は、7歳の時点で
行動の問題がみられるリスクが40~50%高かった。
Bonuck 氏は「この研究は因果関係を示すものではないが、睡眠呼吸障害と
行動の問題の関連にはいくつかの理由が考えられる」と指摘する。
休息の質の低下が過労をもたらし、注意散漫や多動、興奮性などに寄与して
いる可能性がある。
また、過去の研究では、睡眠呼吸障害が酸素の欠乏、二酸化炭素の蓄積などに
より脳の生理に影響を及ぼすことが示されており、「小児の場合はこの影響が
長期間持続する可能性がある」と同氏は説明している。
米ロチェスター大学メディカルセンター(ニューヨーク州)のHeidi Connolly
氏は「今回の知見は、睡眠時無呼吸やいびきが小児の神経系発達によくない
ことを示す多くの研究を支持するものである。別の研究では、無呼吸がなく
いびきだけでも小児の発育不良の原因となることが示されている」という。
「プライマリケアの現場ではこのことを踏まえて小児のいびきのスクリー
ニングを行い、いびきがみられれば即座に治療する必要がある」と同氏は
述べている。
治療法としては、口蓋扁桃やアデノイドの切除、減量、持続陽圧呼吸療法
(CPAP)などがある。
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