歪める | ICE PICK

歪める

早いものでキックボードでぴょんぴょん・キャッキャ、フリースタイルでお隣さんへの感謝をラップ、そんなクリスマスから約1ヵ月が経つ。


年末風物詩『M-!』が惜しまれながらも終わりをつげたのも同じ頃だ。最後だからといってとりわけ身構えて観たわけでもないが強烈に残っている。スリムクラブの「放射能」。またエライとこからブッコンできたな~とそのパンチの角度にたまげたわけで。同時に「放射能」というワードが放たれた時に受けたインパクトがどこかラップミュージックを聴いた時に受けるそれと似通っているな~と感じたり。ちなみにラップとは、虐げられたブラックぴーぽーの現実逃避のための言葉遊びが起源とされる。巧みに言葉を用い、イメージを羅列し、聞き手はそのぶつ切りのイメージの中をジャーニーする(ボクなりの解釈)。スリムクラブが放った「放射能」というワードは日常から乖離している。この言葉は聞き手を非日常へと誘い、歪んだフィクションの世界にズブズブとはめていく起爆剤となったようだ。


近年の、笑い飯「鳥人」、モンスターエンジン「神々の遊び」などのお笑いクラシックを見ると“設定勝ち”感が否めない。80年代以前、現実に忠実であろうとしたアメリカ映画が近年CGの進歩を駆使してどう現実を歪めるかに腐心しているように、何度も使いまわされてきたような話や世界はついにあきられ、端に追いやられていくのか。お笑いも、どれだけ現実からジャンプし、どれだけ特異な世界観を披露できるかという作家性が必要な時代。「マルコムヴィッチの穴」的コントがみれるのもそう遠くはないのかもしれない。