ふと急に思い出したんで、あんまり怖く無い短編の話を。w
これは実家に住んでいて仕事場に通勤してる頃の話です。
その仕事場と言うのは以前にも度々登場した色んなのが
出る雑居ビルです。相変わらず気持ちの悪い事が
良く起きていてエレベーターも当たり前の様に
勝手に動いてました。w
この日は朝から雨で本当は車で通勤したかったんだけど
数日前から車を修理の為に整備工場に預けてたので
仕方無く電車通勤でした。暗天の雨空で朝から薄暗くて
あんまりノリの良い日じゃ無かった。
でも仕事のノルマを考えるとやる気が起きないとか
言ってられないしね。淡々と仕事をこなしてたらあっという間に
夕方で、外を見るとまだ雨が降ってて夜の様に暗くなってました。
その時、事務所のドアが開いて同僚の女の子が出先から
戻って来た。何か様子がおかしかったので「何か有った？」って
尋ねたらビルの前で知らない人に「どこに行くの？」って聞かれたと。
一瞬、下手なナンパかなって思ったけど女の子の様子が変だし、
どんな人だったか聞くと「すごく気持ちの悪い死んでる様な人」と。
変質者か何かかなと思ってたら「とにかく雰囲気がおかしい人」って
言ってたので、ただでさえ変な事が起きるビルだし。。。
また「そんな感じのやつ」かよって思ってたら
窓の外を見てた女の子が「まだそこに居てる」と言い出したんで
すぐに窓のそばに行ったんだけど近所の建物の角にスゥっと
曲がって行く後ろ姿がチラッと見えた。
その後、同僚が皆帰ってから終電近くまで仕事をして帰りました。
地下鉄に地元の駅まで乗り、そこから２０分ぐらい歩いて帰るのですが
深夜の雨降りは、なかなか気持ちが悪い。。。
所々に有る、さほど明るく無い街灯と自動販売機の灯りにホッとしながら
歩いていると、背後から「どこに行くの？」と言う男の声。。。
いきなりだったので、腰が抜けそうになったww 振り返ると声はすぐ
背後から聞こえたと思ったのに１０m以上離れたところに
サラリーマン風の男が後ろを歩いて来てた。ちょっと嫌だったんで無視してたら、
また背後で「どこ行くの？」。。。気持ち悪いんで家とは言わず
「ちょっとねー。」って言うとすぐ横で「へー」って。何やコイツって思って
顔を見たら、何かおかしい。「んん？？？」目がうつろで、生気の無い顔。
こいつはアカン奴やって思ったんで、家とはちょっと方向が違ったけど
コンビニに向かって、店内に逃げ込んだ。店の中には入って来なかったので
暫く時間を潰してから店を出ると、生気の無い顔の肌の色がねずみ色掛かって
まるで死人の様な男は居なくなってた。
何度も後ろを振り返りながら、何とか家に着いて自分の部屋で一息つけて
気持ちが落ち着いた時に何となく気になったのでカーテンのすき間から
外を見たら、その男が立ってました。うつむいててこちらを見上げる様子も無く
じっと立ってました。。。鳥肌ぞわわでした。
その直後に人が歩いて来て、じっと立ってる男に気が付かないのか普通に
家の前を通り過ぎた時に、その男は今度はその人の後を付いて行きました。
何者だったんだろう。普通の人とは思えなかったしなぁ。事務所から
付いて来ちゃったんだとしたら、人じゃ無かったのかなぁ。
自分に気が付いてくれる人の後を付いて行くタイプの奴かな？w