愛媛から香川に電車でやって来た。さて何を食べようか?
全くもって愚問である。うどんに決まっている。
ホテルを出るとすぐにアーケード付きの商店街につながっている。愛媛のアーケード商店街もすごかったがここ香川のものも大きい。ここに住めば一生雨に当たらずに過ごせるのではないかというほどに永遠に続いている。
さて、そんな天国の様な商店街を歩いているとすでに幾つものうどん屋さんに出くわす。どのお店も美味しそうでなかなか決められない。
そんな中なんともヘンテコリンな名前のうどん屋を発見した。その名も「ぴっころ」。
おじさん世代が皆思いつくのが言わずと知れたドラゴンボールのあのピッコロ。
なぜうどん屋にこのような名前を付けたのか?ドアは磨りガラスになっていて外からはよく店内が見えない。うどん屋さんはお値段もお手頃価格なので気軽に初めてのお店にも入りやすい。
よし、ここにしよう!と、扉に手をかけた。ガラガラと引き戸を開けてびっくり。
え、誰もいない。しまった、間違った店に入ってしまったのかも。
今日は土曜日の夜。まだ6時と若干早い時間だけれども誰もお客さんがいないというのはいかがなものか。
しかし僕の心情とは裏腹に店員さんは待ってましたとばかりに「さ、さ、こちらの席へどうぞ」と勧めてくる。そこまで来てまさか「あ、間違えました!」と引き返すことも出来ず仕方なく席に着く。
色々とメニューがあり「こちらの明太子のクリームうどんも美味しいですよ。」と店員さん。
ここはひとまず無難なかけうどんに海老の天ぷらを注文した。結論、うどんも天ぷらも本当に美味しく、あ〜満足、とお会計を済ませ「美味しかったです。また来ますね!」と店を出ようとドアに手をかけた。
すると突然トントンと肩を叩かれた。びっくりして振り向くと、すぐ後ろに店員さんの顔が僕を見上げている。
そして「すみません。うちの店、今月末で閉店するんです。だからなるべく早くまた来てくださいね。」と仰られた。
「えっそうなんですか。美味しかったのに残念です。」とだけ告げ店を後にした。
そう言えばなぜお店の名前を「ぴっころ」にしたのかを聞きそびれてしまった。今となっては名前が閉店の理由でない事だけを願うばかりである。








