その2)学判の偏差値
学判用として学校別の50%偏差値一覧が結果資料集についています。 80%ではなく、50%偏差値
を用いているのは、5年生は、第1志望や目標校を考える時期であり、そのための目安としては
50%偏差値が適当なためだそうです。なお、この50%偏差値は2011年受験者の合否実績と
彼らが5年生のとき受けた学判のデータから算出されていると記載されています。
さて、この学判用50%偏差値と2011年受験者の合不合の結果50%偏差値(四谷のWebに掲載
)を比較してみますと、数少ない例外を除き
男子 合不合の数値=学判の数値+1
女子 合不合の数値=学判の数値+2
となっていることがわかります。いずれも合不合>学判であり、母集団として、学判のほうが
若干レベルが高いことが示唆され、「学判はレベルが低い」という定説とは反する結果になって
います。
この原因としては2つのことが考えられます。
ひとつは本当に合不合の受験者層のレベルが学判より低くなっているということです。
ご承知のように2011年受験者(合不合は2010年に受験)からはレベルの高いと思われるSAPIX
生の合不合受験率が大きく低下しています。そのため、同じ学校の合不合の偏差値は2010年
以前と比較して、1~3程度高くなっています。SAPIXが抜けた後も合不合は学判よりも受験者
が多いようですので、SAPIX以外で四谷系でない受験者もいるはずです。この四谷系以外で
SAPIX以外の受験生のレベルが若干四谷系よりも下であると仮定すると、合不合と学判の若干
の偏差値の差異は説明されます。
もうひとつはいわゆる時間効果です。6年の秋の合不合と5年の春の学判では本番の入試まで
の時間が異なりますので、その間の「伸び」への期待値が違ってきます。これはいわば、金融
工学のオプション理論における時間価値に相当するものです。受験生の立場からいえば、同じ
偏差値50でも、学判の50のほうが合不合の50よりも、本番の入試時に例えば53に到達して
いる可能性は高いはずです。逆に学校別偏差値からいうとこのプレミアムの分だけ学判の
偏差値は小さくでることになります。
(注:金融工学は初歩的な教科書を読んだだけなので、正確なたとえではありません)
おそらく、前者がメインシナリオとは思いますが、後者も多少あるのではないかと思っています。
四谷系の受験生としては、新しい偏差値の水準に徐々に相場観をならしていく必要があるの
かもしれません。

