概要:
 例えば、組分け(5年第3回)の場合の総合(4教科)偏差値と各教科偏差値の関係は


  総合=0.49×算数+0.27×国語+0.18×理科+0.2×社会-7.7


はじめに:
 目標とする偏差値がある場合、総合偏差値だけで考えるより、これをブレークダウンして、教科毎の目標数字をたてたほうが、やるべきことが明確になるかもしれません。そこで、総合偏差値と各教科の偏差値の関係について調べてみました。


方法:
 偏差値の定義に基づき、各教科の偏差値と総合偏差値の関係を式で表すと下記のようになります。(高2のΣを覚えている方は拡大してチェックしてください)


中学受験をサポートしているつもりですが...-偏差値の合成


となります。言葉で書くと次のようになります。


  総合偏差値=各教科の標準偏差の和÷総合の標準偏差

               ×(各教科の偏差値の加重平均-50)+50
 
ここで、各教科の偏差値の加重平均とは各教科の偏差値を標準偏差で重みをつけて平均したものです。四谷のテストでは各教科、及び4教科総合の素点、平均点、偏差値が開示されます。標準偏差はこれらの値から偏差値の定義より逆算することができます。また、各教科の偏差値を変数とみなせば、総合偏差値を計算できることになります。


結果:
基本編
 直近の組分けと学判の推定標準偏差は下記の通りでした。


      総合 算数 国語 理科 社会
---------------------------------
 組分け  91   45  25  17   18
 学判    72   26  23  13   21


配点の比率が組分け、2:1.5:1:1、学判、1.5:1.5:1:1であることを考慮しても算数の標準偏差が大きいようです。なお、他の回も概ね似たような数字でした。

 このデータから、総合偏差値と各教科の偏差値の関係を


 総合偏差値=a×算数+b×国語+c×理科+d×社会+e

とあらわすと、各係数は


     a   b  c   d   e
--------------------------------------
組分け 0.49 0.27 0.18 0.20 -7.7
学判  0.37 0.32 0.19 0.30 -9.2


となります。例えば、組分けの総合偏差値を1上げるためには、算数だけがんばるのであれば、+2、理科だけだと+5、4教科均等だと+0.87上げることが目標となります。


応用編A
 4教科均等の場合の偏差値を推定する場合、各教科の標準偏差として、配点比で規格化した数字を使います。ただし、このとき、総合の標準偏差も補正する必要があります。正確な補正には情報が足りませんが、第1近似として総合の標準偏差σの2乗から増減した分の標準偏差の2乗を加減する程度が適当と思います。


応用編B
 総合の標準偏差と各教科の標準偏差の関係から各教科間の相関係数の平均に準じたもの(本当の相関係数ではありません。図の式を参照)を求めることができます。組分けと学判の場合、この値は概ね0.5~0.6であり、中程度の相関があることがわかりました。受験生全体でみると、科目間の差よりも、個人間の差のほうが大きいのでしょう。ちなみに週報で同様な計算をすると、この値は0.2程度と弱い相関になります。似たような成績を持つ集団の中では個人内の得意不得意の影響が大きくなるのと解釈できます。本番の入試の受験者集団は週報に近いと思われます。また、相関係数が小さいことは、科目毎偏差値の平均と総合偏差値の差が大きくなることを意味します。


補足:

 各回毎の偏差値のばらつきは大きいですから、あまり短期的に目標偏差値を掲げても意味はないと思います。むしろ、毎回の偏差値ばらつきがどの教科に起因しているかを見極めるのに偏差値の合成式を活用できればと思います。

 組分けの直前になると、理社の暗記モノに力を入れてしまいますが、むしろ、落ち着いて算数の試験を受けられるように、のんびり過ごしたほうがよいかもしれませんね。試す勇気はありませんが...