はじめに:
明日の組分けの理科には苦手意識のある「光」があります。予習シリーズを読んでも、
なぜそうなるのかが書かれていないので(数学が必要なので仕方ありませんが)、
理解不足のようです。そこで、高校レベルの物理の考え方だけを教えて、理解を深める
ことを試みました。
光の性質の理由:
光の反射、屈折、レンズの性質は全てホイヘンスの原理から導かれます。ホイヘンス
は人の名前です。ホイヘンスの原理によると、音や光のような波は、波面上の各点が
点源となって、そこから出る球面波の重ね合わせとして伝わっていきます。
(池に石を投げたいれたときの波面の様子を想像してください)
反射の法則、すなわち、入射角=反射角は反射の際の同位相面を幾何学的に
考察することにより得られます。また、屈折の法則(媒質が異なる境界で光が曲がる
現象)も媒質での光の速度の差を考慮することにより同様に得られます。
一般に、光が媒質の境界面に達した時、光の一部は屈折し、残りは反射します。今、
水中(ガラス)から空気中のように光が遅い媒質から速い媒質に入射する場合を考え
ます。屈折の法則をsinB=sinA×Vb/Vaと書き直します。Vb>Vaを仮定しているので、
sinA=Va/Vbとなるような各A=Cで光を入射した場合、屈折後の角はSinB=1より、
B=90度となり、屈折光は境界面に沿ってすすみます。さらにAが大きいと屈折の
法則の式に解はなくなり、屈折光はなくなります。これを全反射、角Cを臨界角とい
います。
レンズによる光の進み方は屈折の法則を球面上のレンズに適用することにより得
られます。光軸上のA点の点光源から出た光がB点に集まるとすると、焦点距離を
fとして(fはレンズの曲率半径で決まります)
1/a+1/b=1/f
の関係にあります。この式により、「光源の位置ととつレンズを通る光」の項が定量的
に説明されます。
注: このレンズの公式は5年の予習シリーズでは扱っていませんが、
6年下の予習シリーズのまとめ単元では等価な式が比の形式で
示されています。算数で比を学習したのち、講習などで扱われる
のでしょうか?
予習シリーズの補足
・プリズムと全反射
プリズムの場合、上記臨界角が約40度になるような素材が使われている
そうです。ですから、40度以上の入射角で入射した光は全て反射することに
なり、その場合の反射角は入射角に等しいくなります。すなわち、45度
で入射した光は45度に反射してでていきます。
・とつレンズを通る光とできる像
とつレンズを通る光は
(1)光軸上の点Aを通る光はレンズの公式によりBをとおる
(2)レンズの中心を通る光は直進する
で求めることができます。さらに(1)の特別な場合として、
(1a)焦点を通る光(A=-f)は平行に進む
(1b)平行な光(A=-∞)は焦点を通る
が考えやすい点になります。レンズによってできる像を図で示すためには
上記(1a)、(1b)、(2)の線をかけばよいことになり(実際には3本の
光線は1点に集まるので2本かけば十分です)、予習シリーズでも使われて
います。
ここでは位置だけしかわかりませんが、(1)(2)を用いた方法を紹介します。
これにより、「光源の位置とレンズを通る光」と「とつレンズによりできる像」
の関係がより明確になると思います。具体的には物体(例えばろうそく)の
像を考えるとき、炎の先端ではなく光軸上にある下の部分を考えます。
このとき、(2)が光軸そのものになることは自明です。(1)の線はレンズの
公式に対応します。従って、像の位置もレンズの公式に対応します。
従って、レンズの公式を小学生がわかるように翻訳して、
表にまとめれば、「光源の位置ととつレンズを通る光」も
「とつレンズによってできる像」もばっちりになるはずです。
p.s. 高校物理を使った説明は子供には少し難しすぎたようです。
実験で実感することが大事なようです。
参考文献: 新・物理入門(山本義隆、駿台文庫、1996年)

