冷房の効いた移動教室。
「あ、1番後ろ空いてる。」
ここやったら寝れるな。
私と夏鈴は早く来たので、窓際の1番後ろの席に座ることが出来た。
騒がしい中でチャイムが鳴ると、英語の授業が始まった。
「22ページです。」
眼鏡をかけたおじいちゃん先生が、問題集を指して言った。
22ページには、ページ全体を埋め尽くす英文が書かれていた。
はじめは解こうと頑張ってみるが、気が遠くなるほどの長文に、眠気が襲ってくる。
すると、隣の夏鈴がペンを置いた。
「わからん。」
夏鈴はそう言うと、私の肩に頭を乗せてきた。
「私も。」
私もペンを置き、夏鈴に頭を寄せた。
クラス全体も集中力が切れてきて、少しざわざわし始めた。
その中で、知らぬ間に先生の解説が始まっていた。
「だからこれは、和訳すると、えー、"もし、私が〜したら、あなたはどうしますか?"となりますね、よろしいですか?」
夏鈴からシャンプーの爽やかな匂いがして、心地良さを覚える。
心地良さに身を委ね、ボーッと黒板に書かれていく文字を眺める。
ふと思いついた。
ただの興味本位だった。
「もし私が夏鈴のこと好きって言ったらどうする?」
夏鈴だけに聞こえるように、さりげなく聞いてみた。
私の肩に頭を乗せている夏鈴の表情は見えない。
空白の時間が少しだけ私の不安を煽った。
「幸せな気持ちになる、かな。」
返事が返ってきた。
少し恥ずかしくなって、夏鈴の頭に顔をコツンと当てた。
「もし夏鈴がひかるのこと好きって言ったらどうする?」
「嬉しい、、かも」
私も、夏鈴も、今日はやけに素直だった。
「、、好き。」
夏鈴は、私の腰に手を回し、私とは目を合わせないまま、そう囁いた。
「私も。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Twitter▶️https://twitter.com/nemu_insui