S.N.C.不動産コンサルティング株式会社の長野です。


本日は団体信用生命保険に関しての記事のご紹介です。


保険は仕組みが分かりにくいですよね。コラムをご覧ください。



 「団体信用生命保険」とは・・・

 アパートローンを受けようとする場合、必ず考えなければならないことの一つに

「団体信用生命保険」があります。

 団体信用生命保険とは、万が一ローン債務者が死亡もしくは高度障害状態に

なったとき、ローンの残り金額を、保険金で充当し、一括返済してくれるものです。


そうすると、残された家族にはローンが残らないため、安心です。


  また団体信用生命保険をかけることにより、それが生命保険代わりになるため、すでにかけて

いる生命保険を見直し、保険料の支払額を減らすことも可能となります。



アパートローンを組んで団体信用生命保険をかけたら、一度生命保険を見直してみることをお勧め

します。例えば、5,000万円のアパートローンを受けて団体信用生命保険をかけたら、5,000万円の

生命保険をかけたと同じです。もし5,000万円のローン残高が残っているときにローン債務者が死亡

したら、家族には5,000万円の保険金が支払われるのと同じ効果が現れます。



 団体信用生命保険について詳しく説明すると、ローン債務者を被保険者、生命保険金の受取人を、

ローンを出している銀行等とする生命保険で、ローン債務者が死亡または所定の高度障害状態に

なった場合は、その保険金で残りのローン債務が弁済されるというものです。



住宅ローンの場合は原則強制加入となるため、健康状態に問題がある場合にはローンが受けられ

ないこともありますが、アパートローンの場合は任意での加入となっている場合が多いので、健康

状態に問題がある場合など、団体信用生命保険をかけることができなくてもローンを受けられること

が多いです。(その代わり連帯保証人を増やすよう要求してくる銀行等もあります。)



 また団体信用生命保険の保険料は、通常ローン金利に0.3%程度上乗せされますが、表示されて

いる金利が団体信用生命保険料を含んでいるかいないのかを念のため確認しておいた方がよいで

しょう。

◆ 団体信用生命保険料が3%なワケ

 生命保険の保険料を決めるには、「大数の法則」という考え方が根本にあります。「大数の法則」

とは、例えばサイコロを振った場合、1回だけでは1の目が出るのか、2の目が出るのか、あるいは

どの目が出るのか分かりません。ところが、何千回、何万回と数多く振った場合には、1から6まで

のそれぞれの目が6分の1ずつの割合で出ます。



 このように、数少ない経験では何の法則もないようなことでも、数多くの経験を集めると、ある決ま

った傾向が現れてきます。すなわち、少数では不確定なことも、大数でみると一定の法則があること

がわかります。これを「大数の法則」といいます。



 人間の生死の場合も「大数の法則」がはたらきます。毎年だれが死亡するかということは分かりま

せんが、たとえば、日本人の死亡率の推移をみると、ほぼ一定しています。そこを計算して、また

生命保険会社の経費・利益も上乗せして、保険料が決められるのです。



団体信用生命保険の申し込みにあたって

 団体信用生命保険への加入を申し込む際には、「団体信用生命保険申込書兼告知書」で健康

状態を告知することが必要になります。通常の生命保険と同じように、団体信用生命保険でも、

書面による告知は、生命保険会社が加入を引き受けるかどうかを決める重要な事項となります。






ローンを受ける人自身が、ありのままを正確に記入する必要があります。また借入金額(保険

金額)が所定の金額を超える場合は、所定の診断書の添付を求められます。ここで生命保険会社

から団体信用生命保険の加入を断られた場合は、団体信用生命保険をかけられないことになります

ので、アパートローンの審査に響いてしまうこともあります。



◆ 保険金が支払われる場合、支払われない場合

 保険金は、以下の場合に銀行等に支払われ、その保険金でローンの残りが弁済されることに

なります。



【保険金が支払われる場合の一例】
 (1) 死亡されたとき
 (2) 保障開始日以後の傷害または疾病が原因で、次のいずれかに該当する高度障害状態になられた

    とき
   ・両眼の視力を全く永久に失ったもの
   ・言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの(※1)
   ・中枢神経系または精神に著しい傷害を残し、終身常に介護を要するもの(※2)
   ・両上肢とも、手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
   ・両下肢とも、足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
   ・1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に

    失ったもの
   ・1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの


(※1)「そしゃくの機能を全く永久に失ったもの」とは、流動食以外のものは摂取できない状態で、その

    回復の見込みのない場合をいいます。

(※2)「常に介護を要するもの」とは、食物の摂取、排便・排尿・その後始末、および衣服着脱・起居・

    歩行・入浴のいずれもが自分ではできず常に他人の介護を要する状態をいいます。

 


また団体信用生命保険をかけたにもかかわらず、保険金が支払われない場合もあります。団体信用

生命保険付きでローンを組んだからといって安心してはいけません。これらの事項に該当しないよう、

注意が必要です。



【保険金が支払われない場合の一例】

  ・「申込書兼告知書」で事実を告げなかったか事実でないことを告げ契約が解除されたとき
  ・保障開始日から1年以内に自殺されたとき
  ・戦争その他の変乱により死亡または高度障害状態になられたとき
  ・被保険者の故意により高度障害状態になられたとき
  ・保障開始日の前の傷害または疾病により高度障害状態になられたとき
  ・保険契約について、被保険者に詐欺の行為があったとき





難しいですね…。




要するに最愛の人がもし、亡くなったり、高度障害になった場合に保険会社が住宅ローンの支払いを

代わりに行いますって話です。




残される家族のために必要なことなのかもしれません。





残された家族に思い出だけではなく、経済的なゆとりも残していきたいものです。




とはいえ、シビアな話ですが、金融機関が返済の滞りを防ぐために団体信用生命保険に加入させられる

ということが一般的です。