- ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- SAW(UMD Video)
「SAW」はビジラント号の乗員アクセル役のリー・ワネルが脚本を担当し、またアダム役で出演しています。アクセルは映画版にはあまり出てこないキャラなので誰って思う人が多いでしょうけれど、家庭用ゲーム版「ENTER THE MATRIX」のムービーには結構出ているみたいです。
この映画はソリッド・シチュエーション・スリラーというジャンルの映画だそうです。ソリッド・シチュエーション・スリラーとは、ある状況設定のもとでいきなり話が始まるスリラーというような意味だそうですよ。18日間で撮影した低予算映画ですが、映像は安っぽさはあまり感じず、緊迫感や不気味さを上手く出していたと思います。バスルームやジクソウの隠れ家、恐ろしい仕掛などのホラー的気味の悪さには「セブン」や「エンジェルハート」に通じる芸術性が感じられました。
ストーリーも斬新で意外性があります。さらにSAW完全解読
を読むとこの映画は無駄な部分が殆どない作品で、映像やセリフによって多くの事を伝えたり、キャラクターの名前や他の作品のセリフの引用の中に謎の答えがあったりするんだという事が分かります。精神科医の方が書いているので医学的な分析もありますし、映画の文法や引用された映画からの分析、宗教による分析もありまして、それにより驚きの新事実について知る事が出来ます。「SAW」を観て釈然としない部分があった人はぜひ読んでみてね。「SAW」について中身のない悪趣味なだけの映画と批判する人達にも読んで欲しいです。
素晴らしい文学とはどういうものかについて書かれた本を読んだ事がありますが、素晴らしい文学の条件の一つに分かりやすい事があげられていました。難解であってもよく読めば理解出来るものも分かりやすいに含まれます。最近は小説でもなんでも説明過多の分かりやすすぎる作品が多いせいか、難解である事が悪いと思ったり、理解する努力もせずに批判する人が多くなってきている気がします‥。
アダム役のリー・ワネルはノア・ワイリーに似てハンサムです。表現力もなかなか、自分の脚本の伝えるべき所をしっかり伝えていました。声が独特なのもいいですね。役者として、また俳優としてのリーの今後に期待しています。
ゴードン役はケイリー・エルヴィス。MTVムービーアワードで恐怖演技賞を受賞したそうですが、実際すごい極限演技で唖然としちゃいました。患者に配慮がなく、ゼップを見下し、不倫で家族を裏切るような人間だったゴードンが、ジクソウのゲームにより変化していくところもよく演じていました。
ゴードンの妻アリソン役はモニカ・ポッター。美しいですよねモニカは。タップ刑事役はダニー・グローヴァー。ジクソウの事件に取り憑かれるタップを上手く演じていました。
ここからネタバレだお![]()
まぁでもツッコミ所はありますね。殺人鬼ジクソウをあれだけ新聞が取り上げていたなら、警察でも大きく扱うはずなのに、隠れ家に乗り込んだのは刑事二人だけって一体‥。刑事を演じるケン・レオン、ショットガンを持つ姿にハラハラ感があって、ある意味スリリングでした。
最前列で見るのが好きだから、バスルームに8時間もうつぶせになっているジクソウの根性に感動しましたが、高齢で末期癌の男性がああするのはさすがに無理なんじゃないかなー。電流流してたし、最前列で見るわけだから眠らないでずっと起きてたんだろうけれど、それって大変だよね。前にとても眠くて部屋の床でグーグー寝ちゃった事があるんですが、絨毯がしかれて腰の下には座椅子がある状態でも体が痛くなってアイテテテーだったんで、重病のジクソウが冷たいバスルームの床に8時間もうつぶせになっていたら、アイテテテーじゃすまないと思いますよ。
8時間バスルームにうつぶせとか、ブタの仮面で襲撃とか、本当にジクソウはおもしろい人なんですが、そういう真剣に笑わせるキャラって結構好きです。殺人鬼としての迫力とオーラもあって、不気味なジクソウ人形とセットで、人気ホラーキャラになるんじゃないですかね、ていうかもうすでになっているのかもしれないけど。ジクソウ役のトビン・ベルの演技はもっと見たかったなー。ラストのセリフ「ゲームオーバー」、カッコイイ~。
タイトルSAWはseeの過去形なんだそうですが、ノコギリという意味でもあるそうで、バスルームにはノコギリが置かれていました。そのノコギリを半狂乱のゴードンが手にしたシーンや、また赤い布の下からドリルに挟まれた男性が出てきたシーン、アマンダがナイフを振り下ろすシーンは、いかにも次のシーンがグロそうなのでチャンネル変えちゃったので、どのくらいグロかったのかは分かりませんが、あまり刺激の強い映像はよくないなぁと思います。まぁ一応年齢制限がある映画ですけどね。ドラマやマンガ、ゲームの中には暴力や性虐待を盛り込み刺激が強い内容でも、年齢制限もなしに観る事が出来るものがあるので、その方が問題かな。たとえ問題意識を持って作られた作品でも、刺激の強すぎるものは年齢制限がある方がいいかも。最近問題になっている陰湿なイジメの加害者や、幼い子を狙う犯罪など、今は判断力や抑制力がない人が増えてきている時代だから、そういう人への影響を考えると良くないかなと。
そういえばジクソウは前頭葉の脳腫瘍だそうですが、前頭葉に異常があると人間らしい言動が出来なくなる事があるそうです。その上でSAW完全解読ではジクソウの精神状態を分析していました。今の日本ではイジメで人を自殺まで追い込んだり、集団で女性を暴行したりするような人がいて、その中には反省する事が出来ない人もいるそうですが、日本だと逮捕でもされないと、加害者側の脳や精神の検査や治療は行われないみたいですが、それって恐い事ですよね。アメリカでは映画並みに残酷な犯罪が起きる事がありますが、その分上に書いた前頭葉や精神の異常、過去の体験など、凶悪犯罪の原因についての研究や治療も、また予防も進んでいるようです。日本もそろそろそうならないといけないんじゃないかなぁ。ジクソウのゲームみたいな犯罪が起こったらやだもんね。