アニメ「マッシュル -MASHLE-」の第13話、神覚者であるオーター・マドルのセリフです。




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規則は守るために存在する
例外は存在しない



魔法が使えないことは、異端であり、処刑されるべき存在、というのがこの世界=魔法界の規則ということになっています。


主人公のマッシュ・バーンデットは、生得的に魔法が使えません。


オーターは、この世界における最高クラスの魔力を持つ神覚者(しんかくしゃ)であり、マッシュを例外なく処分すべきという考えを持っています。


このセリフから見えてくる、この世界の疑問について感じたことをお伝えします。


けして作品批判ではありません。

悪しからず🙇‍♂️



規則の理由や背景が分からない


規則は集団や組織の中で、秩序を維持するためにとても有用なツールです。


規則が成立した理由や背景があるばすです。


例えば、自動車の発展・普及に伴い、都市部で事故や混雑が多発したから信号機が生まれ、信号を守りましょう、という規則(ルール)が出来ました(諸説あるかも)。


それに対して、魔法が使えない者を処刑するという規則には、成立した理由や背景の説明がなく、合理性がまったくありません。


魔法が使えない人がいると、社会にとってどう都合が悪いのでしょうか。


魔法が使えない人すべてが、マッシュルのように超人的な身体能力を持っているとしたら、たしかに魔法を使える人にとっては脅威かもしれません。


しかし、マッシュルが特別なだけであって、どう考えても魔法を使えない人は、魔法が使える人に比べて弱者であり、脅威の対象にはなり得ません。


魔法が使えない人を劣等人種と決めつけ、徹底排除するというのは、まるでナチス・ドイツの優生思想のようです。




神覚者の役割が分からない


オーターのような人は、性格的な部分が大きく起因していると思われます。


組織の中では与えられた役割によって、本人の性格や思想に関係なく、そういう立場の人がいます。


なぜなら、組織の中で与えられた役割には目的があり、結果(成果)が求められるからです。


オーターを含む神覚者たちは、一応、以下の役割を担っているようですが、その実態はイマイチよく分かりません。


  • オーター・マドル・・・魔法魔力管理
  • ライオ・グランツ・・・魔法警備隊隊長
  • カルド・ゲヘナ・・・・魔法人材管理
  • レナトス・リボル・・・魔法基地管理
  • アギト・タイロン・・・魔法動物管理
  • ツララ・ヘイルストーン・・・魔法研究管理
  • ソフィア・ブリビア・・魔法禁書管理
  • レイン・エイムズ・・・魔法道具管理



おそらく役割とは関係なく、神覚者としてこの世界のルールを守るのは当たり前、というポリシーを持っているのでしょう。


もちろん、個人の思想やポリシーは自由です。


ただ、オーター個人の考えで、頭ごなしにマッシュルを否定し、裏工作まがいのことまでして排除しようと画策することが、神覚者のやるべきことなのか甚だ疑問です。



最終的な責任者が不在


この世界には、王様やそれに該当する地位の人が存在しません。


王の決定事項は絶対です。


王の頭が悪かろうが、愚かだろうが、決めてくれます。


良くも悪くも、白か黒かハッキリ示してくれるので分かりやすいのです。


そのような絶対的な最高権限を持った存在がいない場合、派閥争いの様相を呈することになります。


自己顕示欲が強い人達ばかりですから(笑)、魔法の力で相手を徹底的に潰すまで続くので、双方に相応の犠牲が出ることになるのです。



一方、合議制の場合はある程度の話し合いや協議により、主に多数決で決めるケースが多いのですが、この物語では、とにかく「話し合う」ということをしないのです。


神覚者が複数人いるうえ、それぞれ個性と主張が強く、なかなか意識統一は難しいような気がします。


その他の登場人物も、クセのあるキャラクターが多く、弱者に対して容赦なくマウントを取りたがる自己顕示欲の強い人物が実に多いです。


魔力が強く崇められる神覚者はいても、人格者はいないのではないかと思ってしまいます。



オーターは本当に例外なく規則を守るのか


オーターのように「例外は存在しない」などという人は、実際どこまで規則を守るのでしょうか。


例えば、自分が警察官だとして、時速30km制限の道路で、31kmで走行した車がいたら問答無用で検挙するでしょうか。


例えば、砂漠の真ん中に信号機が立っていて、赤信号だったら守るのでしょうか。


極論かつ揚げ足取りのようですが、アタマカチカチで融通の利かない人に問いたくなるのです。



規則(ルール)に妄信的に従うということは、それはプログラ厶どおりに動くロボットと同じです。


規則が成立した経緯があったとしても、様々な観点で議論や検証した結果だからこそ尊重すべきです。




ちなみに、「自分が警察官だとして、時速30km制限の道路で、31kmで走行した車がいたら問答無用で検挙するか」という問いをChatGPT先生に訊いてみました。


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​制限速度をわずかに超過した場合でも、警察官は通常、注意や警告を与えることがありますが、その判断は場合により異なります。交通状況や安全性などの要因が考慮されます。


オーターより人間らしいです。


ChatGPTは運営者により、ある意味正しく教育されていると言えます。


親の教育方針によって、偏った考え方になってしまったとしたら、親を選べない子供にとっては不幸でしかありません。