少し前ですが、「葬送のフリーレン」の初回放送が、日本テレビの金曜ロードショーで第4話分まで放映されました。


同じ日本テレビで、「薬屋のひとりごと」も深夜枠ですが、3話まで一挙に放送されました。


今後もアニメ作品の初回放送が長尺になる傾向にあるのでしょうか。



およそワンクールごとに約50本近い新作アニメが放送される中で、すべてを視聴するのはなかなか大変です。


1話だけ観て面白かったら続きを観る、という人がけっこう多いようです。


制作側としては、視聴し続けてもらうために、いろいろ苦労していることでしょう。


初回放送を長尺にする意図はそこにあるような気がします。




「推しの子」のケース


1話目が長尺のアニメ作品としては、最近では「推しの子」が印象的でした。


ドラマチックなストーリー展開と感情移入しやすい登場人物、そしてミステリー要素が加わり、とても魅力的な作品です。


件の第1話については、ラストシーンに尽きます。


あの衝撃のラストシーンまで観てもらえば、この作品の面白さを理解してもらえる、という確信があったのだと思います。


もともと原作漫画が人気のある作品ですが、原作を知らない層を、確実に取り込むための戦略だったと捉えることが出来ます。


結果的に、作品だけでなく主題歌も世界的に評価され、大成功だったと言えるのではないでしょうか。





「攻殻機動隊 S.A.C.」は4話からが面白い


だいたい4話くらいまで観れば

、継続的に視聴し続ける傾向にあるのかな、という感覚はあります。


個人的に思い入れのあるアニメとして、「攻殻機動隊 Stand Alone Complex」は、まさにそれに該当します。


序盤の1~3話は、こういう世の中ですよ、という世界観や状況を理解してもらうためのイントロダクションのようなエピソードです。


スロースタートで盛り上がりに欠けるため、攻殻機動隊を初めて観る人は眠たくなるようですw


しかし、この作品の本編は4話から始まるといっても過言ではありません。


メインとなる笑い男事件は、徐々に盛り上がっていき、クライマックスでの盛り上がり方はハンパありません。


まさにこの作品こそ、1~4話までを一気に放送すべきだったのではないかと思います。




「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」のケース


では、「葬送のフリーレン」や「薬屋のひとりごと」はどうでしょうか。


作品そのものはとても面白いのですが、初回放送を長尺にした理由はよく分からない、というのが正直な感想です。


単に4話分まとめて放送したという印象しかありません。


金曜ロードショーというゴールデン枠で放送することで、より広範な視聴者にアプローチも期待出来ます。


しかし、4話分まで一気に視聴したからと言って、「推しの子」ほどのインパクトはありません。


逆に、毎週1話ずつ放送したとしても、十分継続的に視聴したいと思えるような作品なので、わざわざ初回を長尺で放送必要性を感じません。



いずれの作品も日本テレビであり、初回放送を長尺にした理由や意図がほかにあるのもしれません。

(ちなみに「推しの子」はTOKYO MX)



スタジオジブリが日本テレビに買収されたニュースに驚きましたが、日本テレビがアニメコンテンツに対する力の入れようが窺えます。


岡田斗司夫さんのYouTubeチャンネルで、過去に何回か関連するネタを配信していますが、まとまった切り抜き動画がありますので、ご参考までに。





けして初回放送の長尺に否定的なわけではなく、アニメファンとしてはこれからも積極的にやって欲しいと思います。