めんりすと か・き・ら・あ(淡麗の塩ver.)2011/DECEMBER
FEAT 2011/DECEMBR/02 20:36:04
牡蠣の旨味を安易に出すのではなく、牡蠣の魅力をラーメンの一部として感じさせつつ、牡蠣の臭みを感じさせない工夫を随所に感じさせる一杯でありました。
口当たりには、トッピングされた一味の個性がヒリッとはっきりと感じられ、調味料に依存しない作風のめんりすとさんとしては、ここはちょっぴり意外な展開。
牡蠣という、臭みを避けられない素材を使用したラーメンということで、いつもとは異なるアプローチが施されているようです。
タレも比較的強めに思えます。
一味の辛味を舌に背負わせつつ、塩ダレの塩気をじゅわっと滲ませます。
すると鶏の味わいに白菜の味わいが絡みながらふわりと浮かびあがり、油脂感を含んだ動物系の温かい個性に満たされます。
するとその味わいに続くように牡蠣ならではの風味が鶏同様のプリプリっとした豊満な個性で重なりを見せます。
トッピングされた牡蠣を噛むと、一段とスープに牡蠣の旨味が広がったかのように感じられます。
塩ダレによってしっかり押し出された牡蠣の味わいがどっと口に広がります。
そこで麺を頂くと、これが絶品!!
牡蠣の風味に、平打麺(通常は全粒粉入り細麺のめんりすとさんは、あえて玉子の入った平打麺をここでセレクトしています)がマリアージュ。
平打麺のプリッとした食感がトッピングされた牡蠣の食感からの流れにバランス良く調和し、何より牡蠣の磯めいた個性が、平打麺の綺麗な玉子の味わい(めんりすとさんの平打麺は乾燥玉子ではなく生卵を使用とのこと)に滑らかに繋がります。
改めてこの平打麺は美味すぎる!!
牡蠣の味わいのいくらかの陰湿めいた個性がフックとなり、平打麺が内包する玉子が見せるフレッシュで明るい味わいが、一段と華やいで感じられます。
牡蠣の旨味の濃度にすら、麺の味わいが負けることなく・・・、もちろん牡蠣ほどの濃い味を持った麺であるはずもないのですが、プリッとした食感を弾みにした麺の味わいに香り立つような快活さがあるために、牡蠣のボリューム感を前にしてもなお華奢な印象は与えないのです。
トッピングには今回、白菜とともに春菊が使用されています。
デビュー当時のか・き・ら・あがカブによって和のテイストを導いたのに対し、今回はさらに大胆な素材である春菊。
和の風合いをきっちり奏でると同時に、その強い個性によって麺と牡蠣の味わいとともに強い個性のぶつかり合いをみせつつ、最終的にはすっと整って感じられるこのバランス。
互いの個性を独立させすぎず、それでいて主体的に表現し、しかし結局はラーメンというコンセプトの中にきっちり調和させてくるこのセンス!!
やっぱりめんりすとさんは巧いなぁ。。。
春菊というと本丸亭さんや、その味わおさらに進化させた一匹の鯨さんなどが浮かびますが、それらが鶏の油脂感が持つ華やかな味わいの中に落ち着きあるコクを効かせることによって厚みある鶏の味わいを生み出すアプローチであったのに対し(個人的にそう思うってだけだよ)、めんりすとさんの春菊は、牡蠣という素材が持つ淫靡な世界観を殺さずに牡蠣の強烈な旨味を独立感を穏やかにし、スープの味わいにまとまりを生み出させているという印象。
トッピングとして最も強烈なアクセントを生み出すであろう魚介系と植物系を一つの椀にぶつけておきながら、それが整いを目指すものであるというところが、凄みでありますよね。
この素晴らしきラーメン、か・き・ら・あ、これから醤油や味噌、白湯系での展開もあるのだとか?
それぞれにおいて、牡蠣の個性をベースのスープや、タレの個性とどのようにハモらせるのか興味ありますね。
ラーメンとして、最も気難しい素材をどのように主張させるかという職人の腕の見せ所に溢れたシリーズです。
わさらびさんの秋刀魚のラーメンなどを好まれる方は、必食ですよ。
プロフェッショナルの料理人とは何かという問いに対する回答が、この2人のこの作品から満ちていましたからね。
早くも、次が気になる一杯でした!!