Feat 2011/june/20:32:03
これはも静岡県を代表するウルトラメガヒット作品ですね。
三島市にも新たに東京の有名つけ麺店が進出するとのことで、この界隈もつけ麺の名店がひしめいてきますが、それでもこのお店の評価は不動であり続けるでしょうね。
これまでつけ麺の得意な東京の老舗が静岡に進出してきても、その人気は一切ぶれず、むしろ評価を確固たるものにしている印象でしたし、その度にやっぱりまるいさんは凄いと唸らされたものです。
そんなまるいさんのつけ汁の味わいと大勝軒や六厘舎、TETSUさんなどの東京で人気のつけ汁の味わいの最大の違いは、甘味。
まるいさんのつけ汁は甘味がくどくないんです。
そしてさらには、濃厚豚骨スープのべたつき具合が違う。
東京のお店が口当たりにねとっと感じるほどの粘度の高い豚の個性に甘味をきっちり加え、ややのろまなこってり感を出しているのに対し、まるいさんは濃厚豚骨でありながらクリアな印象を見せるのが凄いんです。
間違いなく豚骨の強さは最強レベルながら、その豚骨に雑味が少ないためにクリアでキレを感じさせます。
そのため魚介系の出汁も十分素材本来の風味の輪郭までもが主張され、結果として豚骨の個性は、背後でしっかりした土台作りという謙虚な役回りもみせたりします。
どうしても昔の店舗の湯気に満ち満ちた狭い世界の印象が拭いきれない私には、綺麗系の作風とレビューするのが憚られるのですが、食べてみればその味わいの整いは他店が追従できるところにありません。
綺麗なのは豚だけにありません。
魚介系の出汁も実に素晴らしい。
ありがちなサバ節の強いざらつきと、鰹系のぽっこりした甘味といった安易な味わいではなく、煮干し系の個性も効いたアピールチックではない魚介本来の味わいを楽しませるもの。
そんな魚介の渋みが絡むつけ汁の酸味は、他店を圧倒する質感。
果実を思わすような潤い感たっぷりの酸味は、何より美しく、薄っぺらさを感じさせることがなく、この作品にこの手の酸味を加えてくることの意味をしっかりと美味さで感じさせてくれます。
この酸味はここから続く辛味にも綺麗に馴染み、そのハーモニーは素晴らしいの一言。
さらに後味では、すっと切れ長に残ろうとする辛味が、魚介のざらつきに重なりを感じさせることで、きゅっと旨味を締め付けていくようにフィニッシュを決めます。
全体のシルエットをより鮮明に印象付ける珠玉の瞬間・・・、つけ汁でありながら、一つの飲み物としても十分完成されています。
魚介の甘辛さで味あわせるのではなく、魚介の渋辛さで味わえる、ちょっと大人向きの味わいがこのお店の特徴です。
世にありがちな、豚足を煮込んでねばねばさせて、カツオフレークみたいなチャイルディッシュな味わいと安易な甘酢の味わいを加えたようないかにも極太麺用のつけ汁が、なんてチープに感じられることか!?
太麺の迫力や動物系の強さで語られることが多いまるいさんですが、実は豪快さよりも丁寧さが光るつけ汁との印象が、食べるたびに強まっていますね。
その丁寧さは、麺の茹で方にも感じられます。
太麺ながら、線方向の張りが崩れないように茹でられていることが伝わります。
とはいえそれにしても太い!
がむっとした噛み心地はまさしく神心地!
極めきった強い触感は堪りませんね。
魅力が多すぎて、どれだけ語っても語りつくせいないつけ麺です。
もしこの作品に欠点があるとするならば、この太麺の舌触りや香りがスープのキレの良さに対して、ややゆったりのったりしていることでしょうか。
麺は十分に固く、張りがあるのですが、舌触りと食感のマッチングが私には少しだけ違うかも。
麺をつけ汁に入れ、すすってみたときに、麺の口当たりとスープの口当たりにいくらか性格の違いが感じられ、これがコントラストとして良い方向に響くのではなく、少しだけ居心地の悪い印象を受けるのが惜しいなあと。
麺において語れば、少なくともこれ以上ないくらいの極太麺でありつつもしなやかなコシを残し、口の中で反発しつつも、しっとり馴染んでくる個性は、極太麺my史上最高レベル。
つけ汁において語れば、濃厚なのにすっきりと飲ませてしまうつけ汁も、その完成度において他を寄せ付けていません。
本当に、本当に、個人の好みとして、麺とスープの肌触りを、私の舌が整えきれないかなあと。
逆に言うとそれ以外はパーフェクトだし、このお店が魚介味噌つけ麺を出したとすれば、それはつけ麺としては、私の歴史を大きく塗り替える逸品になる気が露骨にずかずかと土足で心に踏み込みます。
なんて思ってみたり。
無愛想っぽく見えて、すっげー感じのいい御主人の作品に失礼極まりないコメント・・・、すいません。
でお言わせてもらえば、東京系の甘ったるいつけ汁のお店は、つけ汁の味に重さに見合ったキレが足りない分だけ、極太麺に馴染む印象なだけなんですよ。
まあバランスが良いといえば良いわけですが、まるいさんと比較するならば、上品さを抑えることで下品さを馴染ませたような、ある種魅力抑え気味だからこその安定感ってもの・・・ねぇ。
それでもバランスだけとれば悪くないものだから、必然的にそれなりの評価をしてしまうわけですが、ただ好みを語ればまるいさんのつけ汁の方がだいーぶ好みも好み。
特に魚介系を得意とする静岡県のラーメンファンには、このくらい魚の個性が出ていた方が美味しいですよね。
逆にいえば、魚介の入ったラーメンは苦手という方も多いのも事実で、そのような方には東京もんのつけ麺がやっぱりお勧めなんですよ。
実際にはラーメンファンには魚より肉が好きという方が多いので、全国的に好まれるであろう味という意味ではやっぱり東京もんが強い部分はあるのかもしれませんよね。
・・・と、何が何でも一つくらいは満足できなかった所を記しておかないと、褒めたい部分が上辺のように感じられて嫌なんですよという、身勝手なスタンスの私です。
舌触りとか、どーでもよいような部分、気にする人なんていないでしょ?
気にするな!!
静岡県のラーメンファンは俺たちは全国一の優れた舌を持つラーメンファンだぜと自信を持って、麺まるいのつけ麺が日本一説を主張しましょうよ!!
まるいのつけ汁を知ってしまったら、豚足どろどろの中にざらざらと魚粉入れて甘味と辛みで味付けしただけの売れ筋つけ汁なんて、気持ち悪い液体にしか思えませんぜ。
東京の奴らにこの味を教えないためにも、これからも日曜日を定休日でお願いします(笑)。
私には数ある魚介豚骨濃厚つけ麺のお店の中において、麺まるいさんのつけ汁が最高でありますのでね!!

