名前をなくした女神 第4話 | snack-aki ママのブログ
2011-05-05 13:34:14

名前をなくした女神 第4話

テーマ:ブログ

第4話 泥棒猫に天罰を

前回の回想


仲間はずれは僕です。
涙ながらに言う健太。


バスの中
塾から帰る侑子と健太。
侑子は健太の両手を握ってやる。
利華子は、海斗に英語の発音をさせながら、
不安そうに侑子を見ている。


健太の部屋。
拓水が健太に話かける。
「どうしたんだよ。健太。
お父さんとお母さんに何でも言ってみ。」
「・・・」
無言の健太。
その時、侑子の携帯に利華子から電話が入る。
「・・・リベンジ?」
「羅羅ちゃんが、健太君にリベンジするって
言ってるらしいの。
何か思い当たることある?」
「もしかしたら。」
写真の扱いが違ったことを
思い出した侑子。
「健太君は?」
「何も話してくれない。」
「そう。明日結城先生に相談してみようよ。
私も海斗から聞いたこと話してみるから。」
優しく話しかける利華子。
「うん。ありがとう。」
電話を切る侑子。


親が必死になっているとつい敵対心持っちゃうじゃない。
そういうのって、子供たちに伝染すると思うんだよね。
真央の顔を思い浮かべる侑子。
不安そうな侑子。


オープニング。


スタジオ
「えっ。落ちた。」真央。
「やっぱりCMが倍率がすごいんっすよね。
そんなに気を落とさないでください。
これからなんですから。」スタジオの経営者。
「はい。」
落ち込む真央。
「まだ他にもオーディションはあるんで、
色んな表情の羅羅ちゃんの表情をとっていきましょう。」
「よろしくお願いします。」
おじぎして、笑顔になる真央。
「あっ。それでこれなんですけど。」
封筒を差し出す。
「はい。
オーディション紹介料。」
65000円と記載されている。
「諸経費なども掛かるんでねえ。
まっ、羅羅ちゃんの将来のための投資ですよ。
ギャラが入れば、チャラですから。」
一瞬、映るスタジオの男の顔。
冷血な表情だ。
食い物にされそう。
羅羅を見つめる真央。


幼稚園
「僕の注意力不足です。
本当に申し訳ありません。」
頭を下げる結城。
「ああっ。そんなこと。」
恐縮する侑子。
「羅羅ちゃんは、今日撮影でお休みなんですけど、
僕から皆にはきちんと話をします。」
「よろしくお願いします。」
侑子もおじぎする。
「子供は優しい面もあれば、いじわるな面もあります。
大人と一緒で相手によって態度を変えることもあります。
(一人で遊んでいる健太が映る。)
だけど僕は、5歳や6歳の子供たちの間で、
本当に悪意のあるいじめはないと思うんです。
どういうことをされたら、傷つくのか
それがまだ分からないだけで、
なので、ちゃんと話をすれば、皆きっと分かってくれます。」
うなずく侑子。
「失礼します。」
お辞儀する利華子と侑子。
「ありがとうございます。」


健太をいじめていた男の子が近づく。
「健太君。ごめんね。
仲直りの握手。」
手を出す男の子。
前回のことがトラウマになり、手を出すのを
ためらう健太に、
その子は普通道理握手をします。
笑顔になる健太。
侑子もほっとします。


喫茶店。
コーヒーを飲む利華子と侑子。
「実は海斗見てたんだって。」
羅羅
「知らないの。仲直りの握手はね。力入れるんだよ。
羅羅と仲直りしたかったら、腕をぎゅっとして。」

「遠くから見て決めつけたりして、本当にごめんなさい。」
謝る利華子。
「ああっ。ううーん。」
なぜか伏し目がちな侑子。


公園
ベンチに腰掛ける侑子と健太
アイスクリームを食べる健太。
「健太。ごめんね。
お母さんなんで健太のこと 信じてあげらなかったんだろうね。
本当にごめんね。」
侑子の優しさに触れて健太も軟化していきます。
うんとうなずく健太。
でも伏し目がちが気がかりです。
「でもさ。どうして本当のこと 言ってくれなかったの。
「僕が・・・僕がいじわるされたって言ったら、
お父さんとお母さんが悲しいから。」


侑子は、自分が何気なく言ったことを
思いだします。


公園で
「健太が悲しかったら、お父さんもお母さんも
悲しいし。
健太が嬉しかったら、お父さんもお母さんも
嬉しいんだよ。」
号泣する健太に
「どうして何にも言わないの。
健太がそんな子だなんて思わなかった。」


侑子は、自分の言ったことを守ってきた
(自分を悲しませたくないと思った)健太に
胸がはちきれそうになります。
「そっか。だから何にも言わなかったんだ。」
一筋の涙が侑子から流れます。
「それなのにさ。お母さんそんな健太の気持ちに気がつけなくて
ごめんね。」
侑子の眼に涙があふれています。
うなずく健太。
「つらかったね。」
初めて侑子をしっかり見る健太。
侑子の涙をふき、笑みをもらします。
そんな健太の手を握る侑子。
「お父さんもお母さんもさあ。
健太には笑ってて欲しいんだ。
何かあったら一緒に解決しようね。」
同じ目線で話しかける侑子。
「かいけつ?」
「うん。良くすること。
一緒によくすること。」
うなずきあう侑子と健太。
「だからさ。これからたくーさんお話しようね。健太。
楽しいことも悲しかったことも何でだろうって思ったことも
全部。
一杯一杯お話しようね。」
笑顔の侑子。
「うん。分かった。」
健太も笑顔になる。
「よし!」右腕のこぶしを握る侑子。
「よし!」健太も真似する。
健太の頭をなでる侑子。


レイナの自宅
タワーマンションが映る。
せんべいを割る音。
うかない表情で紅茶を入れるレイナ。
ため息をもらす。
「はっ。」と姑。
「お母様、お紅茶です。」
「ねえ オーマイレディーっていいねえ。」
「あの私 今から彩香の塾のお迎え行ってまいりますので。」
ビデオに夢中の姑。
「塾ねえ。男の子ならまだしも女の子に小学校から
お受験させる意味なんてあるの?」
せんべいを紅茶に浸してたべる姑。
「男の子でも女の子でも教育は必要ですから。
それにうちには、彩香しかいませんし。」
「早く2人目作っちゃいなさい。」
笑顔がひきつるレイナ。
#セックスレスが悩みなのだ。


子供服の店
「ママ。羅羅このお洋服がいい。」
値段を見て真央は
「だめ。」
ふくれっ面になる羅羅。


真央が手にした衣装は15540円。
「色んなパタンの写真 取っておきたいしな。」
真央の携帯が鳴る。
健太君ママの表示を見て、出ない真央。
「うるさいな。」


「これください。
やっぱりこれも。」
手にした服をスカートを店員に渡す真央。
「これください。」
羅羅は自分の好みの服を持っていく。


侑子の部屋
侑子は、真央が電話に出ないので、
しょんぼりしている。
「拓ちゃん。私直接会いに行ってみる。
健太がこんなに辛い思いしているのに。
ちゃんと会って話しておかなきゃ。」
「うん。」
拓水は、侑子の行動力を知っているから
うなずく。
「うん。」
きりっとした表情の侑子。


利華子の家
4人そろって夕食を食べている。
「うん。おいしい。
ママの炊き込みごはんって何でこんなに
おいしいんだろうな。」
笑顔の利華子。
「愛情が入っているからだよ。」
「おおっ」圭。
「空斗分かってるじゃん。」
「おかわり。」海斗
「おおっ。」と利華子。
「おかわり。」圭
「おかわり。」空斗
「はーい。」
3人のご飯茶わんを受け取る利華子。
3人ともおかわりする。
圭の携帯が鳴る。
「あっ。パパ電話。」
「うん。あっ。」
YUKIと表示されている。
一瞬でるのをためらう圭。
「仕事関係。
もしもし。どうもどうも。
はい。はい。はい。はい・・」
利華子の表情がアップされる。
女からだと猜疑心の利華子。
自室で話す圭。
「ああ。分かったよ。ああ。
あっ、明日表参道に8時でいい?
あそこのイタリアンの
ふふーん。はいはい。はい。」
聞き耳している利華子。
もはや不倫は疑いようがない。


タワーマンションで、
203Xを押し、呼び出しをする侑子。


真央の家
「どうぞ。」と陸。
缶コーラを勧める。
「お構いなく。」
「おつまみ要りますよね。」
「おつまみ?」
きょとんとする侑子。
持ってきたバッグがアップになる。


ちひろの家。
トイレの便座に座って、携帯から電話するちひろ。
相手は出ない。
侑子ちゃんと表示されている。
カギをがちゃがちゃする英孝。
「ちひろ。ちひろ。」


侑子と陸
「ああ。羅羅がねえ。」
「お互いに話を聞かないと分らないことも
ありますし。
羅羅ちゃんともちゃんとお話できればと
思いまして。
うちの健太にも何かあるかも知れないですし。」
「お気持ちは分かりました。
理由は知んねえけど、
これからはこんなことがねえように
仲良く出来るように
自分から責任もって話しますんで。」
「ありがとうございます。
夜分に突然すいませんでした。」
「いやいや。それにしても狭くてびっくりしたんじゃ
ねえですか。」
「あっ。いえ。そんなこと。」
彩香の赤い服を見る侑子。
「また遊び来てね。」
「はい。」
飾らない陸の性格に、笑顔の侑子。


マンションから出る侑子。
「拓ちゃんに報告しとこ。」
不在着信4件あり、爽くんママ
19:11、19:23、19:37、19:44と。
「あら。こんばんは。
どうなさったの。」
レイナと会う。
今日は笑顔のレイナ。
「こんばんは。
ちょっと羅羅ちゃんのお宅に。」
「ああっ。」
表情が曇るレイナ。
「今晩は。」彩香。
赤い服を着ている。
「彩香ちゃん 今晩は。
あっ。ワンピースおそろいなんだ。
羅羅ちゃんと。
じゃーまた明日。」
「ええっ。また。」
「さようなら。」
彩香にバイバイする侑子。
「さようなら。」
彩香もバイバイする。
会釈して帰る侑子。

レイナは、侑子の一言が気に掛かっている。


レイナの家。
「お母さん。
このワンピース羅羅ちゃんとお揃いなの?
無くしちゃったから、また買ってくれたんだよね。
あっ。羅羅ちゃんとね。
おリボンもお靴もお揃いだよ。
「えっ おリボンもお靴てあの無くなったお靴?」
「うん。そう。」
「おかしいわね。
だってあれは編集さんのイタリアからのお土産で、
日本には売ってないはずだけど。」
「ううん。でも羅羅ちゃんおんなじの履いてたもん。
私見たよ。」
レイナは、真央が勝手に持ち出したと確信する。


ちひろの家。
皿を洗うちひろ。
「爽。お風呂入るよ。」
新聞を読む英孝。
勝手にちひろの携帯を見る。
侑子ちゃんの表示。
侑子から着信が入る。


「もしもし。」
「はい。」
「あの・・・安野さんの・・・。」
「ちひろの夫です。」
「ああっ。初めまして。
いつも幼稚園でお世話になっております。
秋山健太の母です。
あの・・・爽君のお母さんは?」
「ちょっと今寝てるんです。」
「ああっ。」
「何か伝えておきましょうか。」
「あっ いえ。何度か着信があったものですから。
明日塾のお約束があるので、その件かなと思いまして。
あ。でも寝ていらっしゃるなら。
もし体がきついようなら、ご無理なさらないように
お伝えください。」
「それはご丁寧に。でも大丈夫ですよ。
病気と言うことではないんで。」
「あっ そうですよね。
おめでとうございます。
爽君おにいちゃんになるんですね。」
無言で厳しい表情の英孝。
眼鏡だけがアップになる。


真央の家。
「ただいま。」
陸が帰ってくる。
「お帰り。パパ夜勤お疲れ様。」
羅羅の弁当を作る真央。
「お帰り。」
寝ぼけ眼の羅羅。
「おう。
パパな。羅羅にちょっとお話があるんだけどな。」
「何?」
「うん。昨日な。健太君のお母さんが来たんだけどよう。」
「うん?」
弁当の手が止まる真央。
「何それ。」真央
「丁度仕事行くときでよう。」
「まさか部屋に入れたの?」
「おう。」
「何のためにロビーがあるのよ。
何のために高い共益費払っていると思っているのよ。」
怒りだす真央。
「そんなこと言ってもよう。」
顔を隠す真央。
「ねえ。この服見てた?」
「あ?いや」
「何か言ってた?」
「何も」
「羅羅。今日早く行くよ。
まともに会わないようにしなきゃ。」


ちひろは、部屋のカギを閉めて爽と出かける。
外で英孝が隠れている。


幼稚園
「ですから。ちゃんと羅羅にも注意しますんで。」
「そうして頂けると。」
「いろいろもめるのも面倒なので、
とりあえず、健太君ママにも謝ります。」
「はい?」
結城先生も怪訝な表情だ。
「いや。あの やっぱりこういう出来ごとが
起こってしまった原因をちゃんと羅羅ちゃんとお話して
もらうことが大事・・・」
「ですね。はい。分かりました。
あの、急いでいるので失礼します。」
もはやかける言葉がない結城。
逃げるように立ち去る真央。
園児たち「おはようございます。」


ちひろの家
何かを必死で探す英孝。
引きだしの中身が散乱している。


幼稚園の送り道
友達とおどける健太。
「健太君。皆といつもどおりなって良かったねえ。
ほっとした。」
利華子。
「ありがとう。」
「あはっ。ちょっと転ぶよ。
待って。」
海斗に駆け寄る利華子。
「どうしたの?」
冴えない表情のちひろに
話しかける侑子。
「ううん。私知らなかったから。
自分のことに一杯一杯で、ごめんね。」
「ううん。いいの。謝らないで。
爽君ママだって大変な時期だから。
それよりさ。何か困ったことあったら言ってね。」
「えっ?」
怪訝そうなちひろ。
「買い物とか爽君のことも預かるから。」
「ありがとう。」
#妊娠と誤解している侑子を
アルバイトのことと勘違いしたちひろ。
「あっ。昨日電話くれたでしょう。
あの後・・・」
「侑子さん」
利華子が呼ぶ。
「うん? あっ?」
真央がいた。
無視する真央。
追いかける侑子。
「羅羅ちゃんママ、昨日私お宅に・・・」
「うん。聞いてる。
ごめんなさい。
ちゃんと羅羅に言って聞かせます。」
笑顔の真央。
「うちも・・・」
言葉を遮る真央。
「じゃー急いでいるんで。」
だが振り返ると無表情だ。


東郷チャイルドスクール
「ではお母さん方。あちらの方でお待ち下さい。」
「はい。よろしくお願い致します。」
レイナが代表して答える。
授業が始まる。
「はい。じゃーテストを始めます。
1ページ目を開いてください。
それでは始めます。
よーいスタート。」
ストップウォッチが押される。
急いで取りかかる彩香。
健太は自信なさげだ。


父兄の控室
「やだなあ。ペーパーテストなんて。」
利華子が部屋へ移動する。
「平均点ってどれぐらいなんだろう。」
ちひろも。
「70点になるように作られているの。」
レイナが答える。
利「そうなんだ。」
「うちの遅れているから。
点数が悪くても、本人が楽しければ、それでいいかな。」
レ「あら。そんな保険掛けなくても大丈夫よ。」
「そういう訳じゃ。」
不安そうな侑子。


教室
「安野爽君。」
「はい。ありがとうございます。」
答案を受け取る爽。
「秋山健太君。」
「はい。ありがとうございます。」
「本宮彩香ちゃん。」
「はい。ありがとうございます。」
早速、回答を出す健太。


控え室。
「ママ。はい。」
海斗が利華子に回答を見せる。
「おう。うん。まあまあだね。」
「へへへっ。」
照れる海斗。
65点と書いてある。
「あー良かった。」
笑顔のちひろに一安心の爽。
70点。
「はい。お母さん。」
と健太。
「ありがとう。どれ?
あっ?」
利「うちは65点だった。」
「ええっ。」
なぜか笑顔のレイナ。
「健太君何点だった?」
彩香が聞く。
「僕88点だった。」
笑顔がひきつるレイナ。
やがて笑顔が消えていく。
88点がアップになる。
利「すごいねえ。健太君やるねえ。」
笑顔の健太。
「健太よかったねえ。」
「うん。」
利「習い事してるとかしてないとか
関係ないんだね。」
#馬鹿にされたように感じるレイナ。
「お母さん。私はね。」
「彩香。」
答案用紙を彩香から奪い取ると、
トイレに入ります。
86点。
悔しい表情のレイナ。


英孝は、引き出しを綺麗に整理した。
「ただいま。」と爽。
父がいることが不思議な爽。
「おとうさん。ただいま。」
挨拶もぎこちない。
「お帰り。」
「・・・ただいま。」ちひろ。
早足で通り過ぎるちひろ。
レモンがテーブルに置いてある。
「レモン?」
英孝を振り返るちひろ。
「部下の実家から送られて来たらしい。」
うなずくちひろ。
「へえ。」
「よく食べていたよな。爽妊娠した時。」
笑顔の英孝と凍りつくちひろ。


利華子の家
ゲームで遊ぶ斗に
「お兄ちゃんただいま。」と海斗。
「あっお帰り。」
お菓子をほおばる海斗に
「わーだめだめ。
ようし、2人とも今日は外でご飯食べるよ。」
「やったあ。」
利華子に抱きつく海斗。
「あっ ほら、空斗急いで支度して。ダッシュダッシュ!!」

「うん。」
ゲームを止める空斗。
「じゃー海斗早くな。」


店。
「3人です。」
「お席にお案内致します。」
足が止まる利華子。
圭が奥でワインを飲んでいる。
「うん。おいしい。」
しかも女と。


茫然とする利華子。
「ねえ。」
2人を呼ぶ利華子。
「あれ。パパじゃない?」
「本当だ。」
「行っておいで。」
「パパ。」
「おおっ海斗、空斗。」
圭の席に行く利華子。
「初めまして
圭さんと同じモデル事務所の後輩のユキです。」
「こんにちは。」
「パパ。今日お仕事じゃなかったの?」
「仕事だよ。
このお姉さんと打ち合わせ。」
「圭さんには、いつもお世話になっています。
今日も相談にのってもらっていたんです。」
「そうですか。」
ユ「ごめんね。パパ借りちゃって。」
「ほら、挨拶して。」
利華子は、ユキがレシートにあった靴を履いていることを
見逃さなかった。
(回想)
「これ。」
「もしかしてご主人だったりして。
奥様に似合いそうだって選ばれてたり。」
ユ「5歳って言うことは年長さん?
そうか。」
「海斗何組だったっけ?」
「桃組。」
ユ「桃組。可愛いねえ。」
「桃組か。足速いんだよな。」
空斗は、利華子が落ち着かないことが気になっている。
「うん。」
ユ「すごい。駆けっこ得意なんだ。」
「早いもんなあ。」
笑みをもらす利華子。


侑子の家
「88点。
えっすごいな 健太。」
拓水は喜んでいる。
「えへへっ。」
得意げな健太。
「よし。じゃ今度お父さんがご褒美に
何か買ってやる。」
「ほんと?」
「うん。」
「健太。運動靴がいいんじゃない?
ちょっときつくなっちゃったでしょ?」
「うーん。じゃー運動靴な。」
拓水のお代りをよそる侑子。
不満げな健太。
「うん?」
「違うのがいい。」
「違うの?何?」
「それは・・・。」
侑子を見る健太。
「あとで・・・」
「えっまあいいか。
勉強楽しいか。」
侑子がお代りを渡す。
「楽しい。」
「あのなあ。点数も大事だけど
まずは健太が勉強楽しいって言うことがすごく大事なんだぞ。」
「ふーーん。」
#ミートボールおいしそうです。


レイナの家
「健太君すごいよね。88点なんて。」
86点を眺めながら、
「彩香。あなた何のんきなこと言ってるの?
今まで何にも勉強してこなかった健太君に
追い越されてしまったのよ」
「ごめんなさい。」
「はあ。」
ため息をつくレイナ。
「いいじゃないか。
彩香は他人のいいところも褒められる優しい子なんだね。」と姑。
ほっぺを会わせる姑と彩香。
笑みがこぼれる。
だが、レイナがきつい表情のため、笑みが消えていく。
萎縮している。
「そんな子育てしてると、彩香のいいところが消えてしまうよ。」
#姑さんナイスフォロー。
「私は彩香のためを思って・・・」
「なんかあるとそうやって、彩香のため、功治のためって
言うけれど、あなたじゃ心が休まらないから、
功治も帰ってこないんじゃないの。」
#これも核心を突いている。
「お母様。功治さんは今お仕事が忙しいんです。
いくつものプロジェクトを同時に抱えているんですよ。」
「ふーん。」
両足を投げ出し缶ビールを飲む姑。
落ち着かないレイナ。
やりとりを聞いていた彩香は、
勉強を始めた。
日記のハートマークをバツにする。


侑子。
親も頑張るお受験ブックの本を手に
「じゃーーあ。これ。
桃太郎の家来になったものはどれでしょう?」と侑子。
腕を回す健太。
「よっしゃ。」
「よし。」と拓水。
「うさぎ、ねこ、くま、ねずみ、いぬ。」
「うん?うん?」と拓水。
「いぬ。」
「ピンポン。イエイっ。」
侑子は健太とハイタッチする。
「ええっ、いぬだっけ?」
侑子のひざに座る健太。
「そうだよ。この前お母さんに読んでもらったもんね。
ねえ。」
「ねえ。」
2人は、うなずきあう。
「えっ?そっち系か。」
まだ分かっていない拓水。


ちひろの家。
洗濯物をたたむちひろ。
携帯を勝手に見る英孝。
マネージャーからの発信履歴がある。


侑子の家
ピンポーン。
「はい。」
ちひろが爽と来た。
「おはよう。」
「あっおはよう。入って入って。
おはよう。」
「おはようございます。」と爽。
「どうしたの?」
「これもらいものなんだけど、
おすそ分け。」
レモンを渡すちひろ。
「ああっ。ありがとう。」
「あの、今日爽のこと預かってもらえない?」
「うん。いいよ。
あっ拓ちゃん。爽君ママ。」
「あっおはようございます。」
「おはようございます。」
「いつもお世話になっています。」
「こちらこそお世話になっています。」
「拓ちゃん見て。レモン頂いちゃった。」
「ええっ。すごいなあ。
すいません。」
「いえ。」
「あっ。そうだ爽君ママ。
パスタ持って言ってよ。」
「えっでも・・・」
「あっそうだそうだ。
うちの会社のです。是非もって帰ってください。」
「ありがとございます。」
「爽君おはよう。」
「おはようございます。」
「あっ侑ちゃん。今日燃えないゴミの日だったよね。」
「拓ちゃん持っていけるかな。」
「あっOKOK。」
「ええっと。」
「これでしょう。」と紙袋を渡す拓水。
「さすが拓ちゃん。ちょっと持ってて。そのまま。」
「はい。はい。」
「こっちでいいよね。」
「5つあったら大丈夫でしょ?」
ちひろは、自分たち夫婦と雰囲気が違うことに
気づきます。


真央と羅羅が幼稚園に通う。
「はい。いってらっしゃい。」
「行ってきます。」
羅羅を送りだす真央。
「羅羅ちゃん。おはよう。」と先生。
「おはようございます。」
笑顔の羅羅。
真央も笑顔だ。
「羅羅ちゃんママ。
おはようございます。」
侑子が呼びかける。
ちひろと利華子も一緒だ。
「おはようございます。」
笑顔の真央。
ち「羅羅ちゃんママ。また皆で予定合わせて
お茶会やりましょうね。」
「そうですね。
塾どうですか。」
利「健太君がすごいの。」
「ううん。」と侑子。
「えっ。
スタート遅くても関係ないんだ。」
レイナと彩香の足元がアップになる。
レイナの足が止まる。
「やっぱり努力より、頭がいいか悪いかなんですね。」
「彩香いってらっしゃい。」
レイナの声に笑みが消える真央。
「行ってきます。」
バイバイするレイナ。
振り返った真央を無視する笑顔のレイナ。
「皆さんおはよう。」
「おはようございます。」
「今日は、塾もないし今からミルフィーユ。
ちょっとお茶でもしない?」
「ええっ。」
侑子はOKだ。
時計を見ながら、
「私1時間ぐらいしか居られないけど。」と利華子。
「私も10時前には出ないと。」とちひろ。
「私も午後は撮影なの。でもちょっとだけお茶しません。
羅羅ちゃんママもご一緒しません?」
「いいんですか?」
「ふふふっ。もちろんよ。」
笑顔だが心は笑っていないレイナ。
「はい。」
笑顔の真央。


喫茶店。
利「同窓会?」
真「去年中学の同窓会に出たかな。」
「うん。」とレイナと侑子。
利「私は全然出てないな。
同窓会がどうしたの?」
レ「私、先週参加したの。
そしたら彩香たちと同じくらいのお母さんが割と多くて、
いろんな話をしたの。」
侑「いいですね。昔からの友達と同じくらいの友達がいるって。
うふふっ。」
レ「でね。そこで聞いたお話なんだけど。
私のお友達の通っている幼稚園で、
泥棒があったんですって。」
侑「ええっ。」
ち「泥棒?」
レ「私のお友達の子供のものが
どんどん無くなっていったんですって。
ま、でもまさか泥棒がいるなんて思わないじゃない。
だから、気にはなっていたんだけど
ま、なるべく気にとめないようにしてたんですって。」
利「でも何で気づいたんだろ。ねえ?」
侑「やっぱり悪いことって隠しておけないものだから。」
レ「そうなのよ。そのとおりなのよ。健太君ママ。
でね。ある日お洋服とお靴が無くなって
おかしいなって思っていたんですって。
そしたら、別のお母さんが泥棒さんの家にいった時に、
それを見つけたの。
でね。見つけてくれたお母さんは、
私のお友達におのお洋服、泥棒さんの家にあったけど、
お揃いなのって私の友達に教えてくれたんですって。」
当惑する侑子。
今にも泣き出しそうな真央。
レ「それに。お靴。
その盗まれたお靴は、イタリアからのお土産で
日本には売ってないものらしいの。
それもね。泥棒さんの家にありましたよって、
その見つけてくれたお母さんが、私のお友達に教えてくれたんですって。」
斜に構える利華子とまっすぐに聞くちひろ。
侑子を見る真央。
利「嫌な話だね。」
ち「ほんとうね。」
レ「あら。羅羅ちゃんママどうしたの?具合でも悪いの?」
真「いえ。」
レ「ねえ。羅羅ちゃんママはどう思う?
このお話。」
真「だめですねえ。」
侑子は、真央を見ている。
うなずくレイナ。


教室
泥棒さんはいけないよ。
泥棒さんは捕まるよ。
結城先生。
「はい。皆一緒に。せーの。」
「泥棒さんはいけないよ。
泥棒さんは捕まるよ。」
お遊戯する園児。


紙芝居。
「美しい王子様に、2人のお姫様がプレゼントを渡して、
どちらか一人を選んでもらうことにしました。
一人の王子様は、ダイヤモンドで出来たきらきらした
首飾りを渡して、
「お姫様。僕を選んでください。」と言いました。
「素敵。」と彩香。
「でも実はこの首飾り
盗んだものだったんです。」
「ええっ。」
園児は驚きの声を上げる。
「ええっ。うそつき。」


ち「そのあとどうなったの?
注意したの?」
レ「注意してもねえ。」
利「普通どんなに欲しくても
人のもの盗ろうなんて思わないものね。」
レ「そうよ。育ちが悪いのよ。」
冷たく言い放つレイナ。
ち「育ちねえ。」


「もうひとりの王子様からのプレゼントは、
蓮華で作った首飾りでした。」
「ええっ。れんげ?」と羅羅。


レ「そういう親に育てられた子供って
将来どうなるのかしらね。」
利「そういう大人になっちゃうんじゃないかな。」
レ「怖いわよねえ。
羅羅ちゃんママ。」
完全に叩きのめしたことを意味するレイナの笑み。
真「あの。ちょっとお手洗いに。」
レ「あら。そう。
あっねえ皆さんお時間大丈夫?」
利「私そろそろ行こうかな。」


「お姫様は蓮華の首飾りを選びました。
ダイヤモンドの首飾りのプレゼントは、
隣の森のお城から盗まれたものだと分かったのです。
こうして二人はいつまでも幸せに暮らしたそうです。」
せーの 泥棒さんは行けないよ。
泥棒さんはつかまるよ。
洗面所で髪を振り乱す真央。


「いい。大事なことはどれだけ気持ちが
込められているかです。」
「はい。」と園児たち。
「感動。」と彩香。
「面白かった。」と羅羅。


半狂乱の真央。
「羅羅ちゃんママ。」
侑子が入ってくる。
睨みつける真央。
「健太君ママが泥棒さん見つけてくれたお母さんなんだ。」
首を振る侑子。
「勝手に靴箱開けたりして。」
「あたしそんな・・・」
「うそつき、ちくったくせに。
何困った顔して親切ぶってるの。
あんたって本当に信じられない。」
トイレから出ていく真央。


オフィスで掃除するちひろ。
先輩が入ってくる
「安野さん。
一階までお願いね。」
「はい。」
笑顔のちひろ。


侑子は、健太と爽を連れて帰る。
元気がない侑子。
「どうしたの?」
「爽君。今日はうちでお母さんのこと
待つんだよ。」
「はい。」
「うん。おやつ何たべようかな。」
「クッキーがいいなあ。」
「クッキー?」
「うん。」
「爽君も。」
「はい。」
「よーし。じゃークッキー焼いちゃうかな。」
「やった。」と健太。
「よーし。
いち。ピース。いちーー。」元気が出る侑子。


タワーマンション。
ロビーで真央が待っている。
レイナが横切る。
「彩香ちゃんママ。
あの。ごめんなさい。
ワンピースと靴すぐ返すつもりだったんですけど。
でも、お母様がいらして返すチャンスがなくなっちゃって。
本当に、本当にごめんなさい。
私生きた心地もしなくて。
もう二度とこういうことはしませんから。」
「気をつけなさい。」
服を受け取るレイナ。
「はい。」
一安心の真央。
「彩香ちゃんママも気をつけてください。」
「ええっ。」
#どういうこと?
 また、侑子を落とし入れるのか。


絵を描く健太と爽。
「あっ。そうだ。爽君ちょっと待っててね。」
「うん。」
「お母さん。」
「うん?何?」
クローゼットから何かを出そうとする健太。

レ「何に気をつけるの?」
真「健太君ママです。」
レ「えっ。」
「健太君テストで彩香ちゃんより、いい点取ったって
勝ち誇った顔してましたよ。」
紙袋を握り占めるレイナ。
「出来のいいはずの彩香ちゃんに
テストで勝ったって。
ちょろいもんだって。
ライバルになれるって思ってもみなかったけど、
同じステージに立っているんだって気がついたって。」
髪をかき上げるレイナ。


侑子の家
何かを持ってくる健太。
「うん?」と侑子。
「じゃーん。」
母の日のカーネーションを出す健太。
「あっ。どうしたの?」
「お父さんと一緒にこっそり買いに行ったの。
もうすぐ母の日だから。
はい。」
カーネーションを渡す健太。
「もしかして健太の欲しいものって。」
「うん。」
「もうテストの点数のご褒美なんだから、
自分の欲しい物買えばいいのに。」
「後、これ。」
ママの絵が書いてあるお手製のマグカップ。
「ああっ。
これ健太が書いたの?」
「うん。」
「ううん。」
「お母さん。いつもありがとう。
お母さん。大好きです。
はい。」
健太の絵の入ったマグカップを見入る侑子。
「健太。ありがとうね。」
侑子は健太の頭を優しくなでる。
「うん。」
2人とも笑顔になる。
「大事にするね。」
涙をこぼす侑子。


撮影中のレイナ。
カメラマンから
「笑顔下さい。」
「あっ。はい。
すいません。」
笑顔が出来ないレイナ。
「すいません。休憩してもいいですか。」
「分かりました。休憩入れましょうか。」


ひと組の夫婦が通り過ぎる。
「パパ。」
「降りる。」
「あっねえ見て何か撮影している。」
「うん。」
レイナを見つけた功治。
「行こうか。」
「うん。」
立ち去る3人。
レイナは功治に似ていると気付いたが。
「お願いします。」
「あっ。はい。」
撮影のため、後が追えない。
幸せそうな功治と撮影で
作り笑顔のレイナ。


オフィスから出てくるちひろ。
「お疲れ様です。」
「安野さん。」
採用の面接管だ。
「あっ、お疲れ様です。
だいぶなれた見たいだね。」
「あっはい。」
「皆安野さんは仕事が早いから助かるって。」
「あっ。そんな風に言って頂けて、本当にうれしいです。」
「子育ても大変だけど、
いい気分転換になるでしょ?」
「はい。」
笑顔のちひろ。
英孝が覗いている。


花瓶にカーネーションを入れる侑子。
マグカップでコーヒーを飲む。
「熱い。」


エンディング。


次回はそれぞれが追い詰められて・・・。


木村佳乃さん 妊娠おめでとうございます。音譜


結城先生は、信頼に足りますね。
5人の人妻のうち、一人と深い仲になるそうですが・・・。
可能性としては、利華子かちひろかな。
家庭が上手くいっていないし。


侑子と健太が公園で絆を確認しあう場面は
最高でした。
思わず私も涙が。。。。


陸もとてもいい奴ですね。
すべて受け止めてくれて。
英孝は逆に陰湿です。
あんな家庭には居たくないよね。
ちひろの侑子の家庭がうらやましい気持ち
分かるなあ。
なんとなくね。


功治もあんなおばさんと家庭を?
って感じです。
でもお姑さんのするどい突っこみは
全部あってるから拍手。