
モーツアルト:セレナーデ第11番 K375
セレナーデ第12番 K388
ウィーン・フィルハーモニー管楽アンサンブル
前回に引き続きモーツアルト、今度は管楽合奏曲を聴いた。セレナーデ第11番と12番である。セレナーデは小規模な楽器編成で、標記ジャケットの図柄にあるように、敬愛する人の家の窓辺で演奏する戸外の音楽とされていた。そのため、第一楽章と、終楽章は行進曲風になり、中間部は人を楽しませるため、舞曲とか、優美な旋律とかを入れるのが普通であった。戸外から、室内鑑賞用のセレナーデになってもこの作風は変わっていない。
モーツアルトはセレナーデを13曲書いている。第10番から第12番までの3曲が管楽器のセレナーデとなっている。今回は後半の2曲が入っているレコードを選んだ。セレナーデは18世紀の中頃ウィーンで大流行した音楽、演奏は伝統を重んじる本場のウィーン・フィルメンバーによるものが良いかと…。因みに、リストにある第10番はベルリン・フィルのもの、こちらも勿論名演だが。
さて演奏は、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットそれぞれ2本の計8名編成。ウィーン・フィルの名手揃い(1973年当時)で、伝統的な古い楽器から醸し出されるふくよかで、柔らかい音色は筆舌にあらわし難い。11番の第3楽章アダージョ、第4楽章メヌエット、それと、12番の第3楽章メヌエット、遊び心の中の哀調、モーツアルトの「笑みの中の悲しみ」が直に伝わってくる。弦楽合奏にない深く心に響く音楽である。