「キルビル」(2003年)

キャスト:ユマ・サーマン ルーシー・リュー

サニー千葉(千葉真一)ダリル・ハンナ

ヴィヴィカ・A・フォックス 栗山千明

 

クエンティン・タランティーノの原作、主演の「フラム・ダスク・ティル・ドーン」(監督はロバート・ロドリゲス)をご存知か。これほど前半と後半の中身が全く違う映画も珍しい。これほど観る前と見た後の落差の大きい映画もあるもんか。KO喰らったような(実は喰らったことはないが)衝撃を受けた。


そのQ・Tが監督した映画「キルビル」は奇妙奇天烈、思いっきり、意図的B級のアクションムービーである。


キーワードその1、深作欣二。Q・Tが最も影響を受けたというにマスター・オブ・シネマ。彼に捧げるという「キル・ビル」はまさに昔の東映やくざ映画、チャンバラ映画、そして 「バトル・ロワイヤル」である。栗山千明が完全にバトル・ロワイヤルしていた。


キーワードその2、ブルース・リー。主演のユマ・サーマンのあの黒のラインの入った黄色のジャージは、ブルース・リー遺作の「死亡遊戯」の衣装そのままじゃないか。


キーワードその3、「マトリックス・リローデッド」。黒スーツの男達、クレイジー88と戦うユマ・サーマンのシーンは「マトリックス・リローデッド」の100人のエージェント・スミスとネオとの戦いのパクリか。いや、お互いの監督が自分のアイデアが先だと言い合っているらしい。


キーワードその4、梶芽衣子。なんと彼女の歌、「修羅の華」(修羅雪姫主題歌)と「恨み節」(女囚さそり主題歌)が挿入歌である。これがまたぴったり合う!

 

 

 

「キル・ビルvol.2」(2004年)
キャスト:ユマ・サーマン

デヴィッド・キャラダイン ダリル・ハンナ

 

「キル・ビル」の続編。誰しもさらにパワーアップされたQ・タランティーノ映画を期待する。しかし、残念。「vol.2」はまともな映画になっていた。題名も「キル・ビルvol.2 ザ・ラブ・ストーリー」である。復讐しようとする前夫ビルとの愛が再燃か。


ビルの娘をみごもったまま殺されかけたはずが、実は娘が生きて4歳になっていたという設定。娘が毎晩見るテレビ番組が「Shogun Assasin」(アメリカ版子連れ狼)。


テーマは同じ復讐であるが、冒頭、ビル役のデヴィッド・キャラダインがフルートを吹き登場。年を取った役者だが渋い、かっこいい。これがビルか。最終的な復讐の対象者がこの男、ビルだったのだ。


アクションは前作より少なくなっている。前作のハチャメチャアクションを期待するとがっかりする。のっけからブライドが胸を銃で打たれ、棺おけに入れられ地中に埋められる。最初から主役が死んでしまうわけ?


少なくなったアクションでもエル役のダリル・ハンナとの対決シーンは見ものである。残っている片目もえぐり取られ、のた打ち回るエルを残して立ち去るブライド。女戦闘マシーンとも言えるエルが両目を失った。と言うことは、「vol.3」では、エルを座頭市として登場させようとする魂胆か。Q・タランティーノならやりそうだな。