「ボヘミアン・ラプソディ」

 監督:ブライアン・シンガー
 キャスト:レミ・マレック(フレディー・マーキュリー)

 グウィルム・リー(ブライアン・メイ)

 ベン・ハーディ(ロジャー・テイラー)

 ジョセフ・マッゼロ(ジョン・ディーコン)

 ルーシー・ボーイントン(メアリー・オースティン)

 

 

 

 

映画を観るというより体感するのが4DX。岩手県にはまだ4DXで上映する映画館はない。仙台にはあるようだが、私が観たのはフォーラム那須塩原(栃木県)。JR宇都宮線黒磯駅から徒歩20分ぐらいのところにあるシネコンだ。


チケットを買う時に説明される。

高齢の方や血圧が高い人は注意が必要です。

車に酔いやすい人は具合が悪くなるかも知れません。

ポケットからケータイなどが飛び出る時があります。

カバンなどは空いている座席や膝の上に置かずに係り員に預けて下さい。

雨や水しぶきが飛び出てきますので衣服が濡れる場合があります。

椅子が揺れ動きますので熱い飲み物は中身が飛び出さないように注意してください。

肘かけにボタンがありますので耐えられない時は押してください、など。


アニメの予告編も4DX版だった。椅子が動く、動く。前後左右に動き、背もたれからもビートが伝わる。これでは小さい子どもは椅子から転げ落ちるかも知れない(子どもは身長制限がある)。大人だって危ない。シートベルトを手探りで探したがなかった。シートベルトは安全のため備えておいてほしいと思った。


そして「ボヘミアン・ラプソディ」のオープニング。ライブエイド(ラストシーン)の会場に向かうフレディ・マーキュリーがいる。音楽とともに椅子が揺れ動き、ビートに合わせて背もたれが震える。風も吹いてくる。ヒューという風が頬を撫でるのも実感できる。これが4DXなのか。初めての体験だ。遊園地の体験アトラクションのような動きが臨場感をあおる。それにしても落ち着いていられない。


伝説のロックバンド「クイーン」は名前を知っているぐらい。曲は知らない。これもクイーンの曲だったのか。「ウィー ウィル ロック ユー」、「伝説のチャンピオン」。そして6分間という長尺ものの「ボヘミアン・ラプソディ」も。観客と一緒になって大合唱、あるいは観客と掛け合い、コンサートに一体感が生まれる。これがクイーンなのか。


クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーはパキスタン人で、出っ歯、そしてバイセクシャルだった。ゲイバーで演奏し、不特定多数の男性と付き合うようになる。しかしその頃にはすでに世界のスーパースター。女性のパートナーもいたが別れ、やがてエイズ発症。45歳という若さで亡くなるのだが、その数年前のライブエイドが圧巻のラスト20分。なぜか涙も出てくる。観客が一緒になって歌う。実際に歌ったり足踏みをしていい映画館もあるという。


クイーンは何度か日本にも来ている。東京や大阪、仙台でも公演したという。教え子のK藤も見に行ったとか。しかし、映画では日本公演のシーンはなかった。なぜかカットされたらしい。単に映画が長すぎたためか。


エンドロールの左半分に本物のクイーンが演奏する動画が挿入される。映画の中の4人と区別できないほどだ、つまり4人の俳優は一挙手一投足、クイーンになり切っていたということ。でもあのフレディの3オクターブ出るという音域の高音は本当に俳優レミ・マレックが歌っているのか。あるいはクチパクか。あの頭から突き抜けるような高音は普通の役者ではそう歌えないだろう。本物の声をフューチャーしたのか。 

 

以上、4DX版映画「ボヘミアン・ラプソディ」の過去ログ。