監督:中島哲也 原作:湊かなえ
 キャスト:松たか子 木村佳乃 岡田将生 西井幸人 藤原薫 橋本愛

 

これこそ衝撃作、問題作。吐き気をもよおすほどだ。感動などできやしない。心がすさぶ。終わっても席を立てない脱力感。中学生が怖え、松たか子が怖え~!でも面白い。文句なしに、いや、文句はあるが面白い!


警告!良識ある善人は観るのに勇気が要る映画です。覚悟して。それほど、ホントそれほど毒のある映画ですヨ。勇気のない人はとりあえず原作を読んでみましょう。映画と同じぐらいの料金で本が買えます(文庫本なら半分くらいで)。衝撃は本の第1章だけでも十分に味わえます。牛乳にあるもの入れたと主人公が告白するあのシーン。あそこでもう第2章以下を読む気力が萎えるかも知れませんね。


中島監督、モノクロみたいな暗い色調で(宗教画のようだと表現する人もいる)こんな暗い映画をよくぞ撮ってくれた。黒い雲が流れ、暗い校舎の風景にかぶさり関係なさそうな音楽が流れる。不協和音にぶち切れそうな緊張感がたまらない。北野の暴力映画など、この「告白」に比べたら○みたいなもんさ。


教え子に愛娘を殺され復讐に燃える、しかし心は冷徹な女教師を松たか子が熱演する。学級崩壊の中、生徒たちは悪意にまみれ、金八先生風の新人教師ウェルテル(岡田将生が好演)はバカだったし、結局は森口に踊らされていた。Bの母親(木村佳乃)は精神に異常をきたした息子に殺され哀れだ。ただ1人まともだった美少女中学生美月(橋本愛)もAに惨殺され冷蔵庫の中だ。


救いようのないストーリーは原作を読んで内容を知ってからスクリーンで観てもなお怖い。この怖さはM・ナイト・シャマランも脱帽であろう。ハリウッドでリメークという話もある。アカデミー賞にノミネートされてもいいと思う。この映画は紛れもなくそんな映画であろう。


なお、私が原作を読んだ時の感想は当ブログ・ミステリーに投稿済みである。
結局、命の大切さを教えるには死の恐怖を味わわせるか、実際に死なせるしかないということか。