「大脱出」(2013年) 監督:ミカエル・ハフストローム
 キャスト:シルヴェスター・スタローン

アーノルド・シュワルツェネッガー

ジム・カヴィーゼル サム・二ール

 

冒頭、警戒厳重な連邦刑務所に入っていたブレスリン(S・スタローン)が、駐車場の爆発事故の騒動に紛れて煙のように消え失せた。あっという間に脱獄したブレスリン。目立つ囚人服を着たまま道路わきの公衆電話へ。そこへパトカーが来る。せっかく脱獄したのに、逃げろよ、と思う。


脱獄はどんな手口を使ったのだ。瞬間移動かイリュージョンか。脱獄後なぜパトカーを見ても逃げないのか。その後ちゃんと種明かしがあった。なるほど、なるほど。だから逃げなかったのかと納得。


ブレスリンは脱獄のプロだった。自ら収監され脱獄することで欠点を指摘する世界唯一のセキュリティ・コンサルタントなのだ。脱獄されない刑務所についての本も執筆する。今回はアクションだけではない頭脳も明晰なスタローンなのだ。ちょっとイメージと違うけど。


次にブレスリンがCIAの弁護士ジェシカ・マイヤーから依頼されたのは、民間企業が運営する極秘刑務所を脱獄することだった。場所は分からないという。念のため腕にGPSを埋め込んだが何者かにより強引に取り出され、スタンガンにより意識を失ったままスーパーハイテク刑務所に拉致される。

 

収監房はオール透明のガラス張りだ。いつものような外部からの協力は望めない。緊急避難コードも通用せず、ブレスリンは罠にはまった。孤立無援の状態で、彼はどのようにして脱出するか。


そこで会う囚人がシュワルツェネッガー(シュワちゃん)だ。彼は強力な協力者となり脱獄のプランを練る。プランAとかBとか。

この映画の原題は「エスケープ・プラン」だが、マックイーンの「大脱走」にあやかったのか邦題「大脱出」となっている。

 

温度差を利用して金属のビスを抜き取ったり、手製の六分義を使って全体の位置を調べたり、かなり知的に脱獄計画を練るのに、最後はやはりドンパチの力技だった。まあ、この2人に知能や知性を求めても違和感があるから、「コマンド」や「ランボー」的に大型機関銃を持ち出し看守らを次々と打ち殺す2人に最後は安心する。


当時は仲が悪いと伝えられた2大アクションスターだ。共演することなど考えられなかったはずが、これもエクスペンダブル(消耗品)ムービー。ラストのセリフに笑ってしまった。

スタローン;「また2人でやるか」。

シュワちゃん;「もういいだろうよ」。こんな会話が交わされる。