監督:ジョン・ファヴロー

 

昔から思っていたこと、その1;

「ライオン・キング」は手塚治虫の「ジャングル大帝」に似ている。あの突き出た岩や、大きな太陽を浴びてサバンナを歩くシーンなど似た場面も多い。そもそも両者ともライオンのこどもの成長物語である。年代的には「ジャングル大帝」の方がずっと古いから、「ライオン・キング」がパクったと言われるのもさもありなむ。ディズニー側はもちろん完全否定する。

 

昔から思っていたこと、その2;

愛だの勇気だのと言ったってライオンは肉食動物だ。まさか草を食っていたなんてことはない。こどものライオンだってウサギやヤギなどの小動物を殺して食っていたはずだ。そんなライオンの成長記録のような物語に感動するはずがない。食われる弱い動物たちがかわいそうだ。

 

何年か前、家族で劇団四季の「ライオンキング」東京公演を見に行くことになった。ホテルも予約し、東京観光も含めてゆっくり、のんびりしてこようと思った。ところが行きの新幹線の中、近所に不幸があり「知らせ」ありの連絡があった。弔辞を読むのも頼まれた。忌明けや御斎などにも参加しなければならない。やむなく自分一人だけ、「ライオン・キング」を観ずしてとんぼ返りした。

 

結局劇団四季の「ライオン・キング」はその後まだ観ていない。アニメは昔見たことがある。

 

そして、ついに実写版「ライオン・キング」を観る機会が訪れた。舞台ではなく映画だ。CGで作られた動物たちがまさに本物のように見える。アフリカの大平原やサバンナのシーンが美しい。

 

驚いたことに動物たちが日本語を話す(吹き替え版)。喜怒哀楽は表情だけからは分かりづらいが、泣いたり笑ったりするシーンもある。もちろん戦いの場面もある。違和感を感じることもあったが、それでもすぐにストーリーにのめり込む。面白いのだ。

 

ストーリーは単純な勧善懲悪もの。昔の時代劇やヤクザ映画の趣きにもつながるストーリーだ。面白いし感動もする。笑えるシーンもある。安心して家族で観られる映画である。

 

昔から思っていたこと、その2について;

映画の「ライオン・キング」では主役のライオンは虫を食う。決して小動物などを殺しはしない。しかし、あんな虫だけ食って、体があんなにでかくなるのか、とつっこみたくもなる。