真宗には帰敬式という儀式がある。おかみそりとも言われ、頭を剃るようなしぐさを坊さんにしてもらい、仏弟子となり法名をいただくという儀式だ。法名とは他宗派でいうところの戒名のこと。
つまり、真宗では生前に法名を授与されるのだ。死んだ後に卒塔婆や位牌(真宗では仏壇に位牌は置かないのだが)に記載されるあの文字が生前に分かることになり、死んでからの楽しみが奪われる(?)と軽口をたたく人もいる。
帰敬式は本来は東本願寺に上山して受式となる。私も2011年に御影堂で受けて法名をいただいた。真宗の法名は「釋〇〇」となる。釋が頭に必ず付く。当時は好きな漢字や俗名からの1字希望など、何も聞かれず、すべて坊さん任せだった。だから、あまり気に入らない法名をもらいがっかりした人いるようだ。
他宗派ではお布施の額によって戒名の長さや使う文字が違ってくると聞いたが、真宗では誰もが、男性なら「釋〇〇」女性なら「釋尼〇〇」である。偉かったひとも普通の人も、金持ちの人も貧しい人も皆おなじである。ちなみに帰敬式の手数料は1万円だけだ。
今回は仙台教区花巻組の萬通寺でも帰敬式が受けられるという特別の計らい。秋田県横手市(奥羽教区秋田県南組)の西誓時の住職の法話を3月以降月に1回拝聴する。来月も含めて4回となる。しかしこの坊さんの話はあまり面白くない。難しいから面白くないと感じるのか、面白くないから難しいと感じるのか。
そして昨日5/12、仙台教区の偉い坊さんたちの立会いのもとで、萬通寺の住職によるおかみそりの儀式が厳粛に執り行われた。
推進委員の我々も出席してお手伝い。正午に集まったが、すでに集まった坊さんスタッフにより準備は整っていた。
参加者は30数人ほど。最初は10人も希望者がいるのだろうかと思ったが、意外と多くの人が集まってくれたと思う。釜石や花巻、他寺の門徒も含めての30数人である。
ちなみに花巻組では帰敬式を行ったのは萬通寺だけと聞いている。