ヨウスケ本人に確認



する間もなく、



2人の姿はすぐに私たちの目に入った。




使用されていない階の踊り場で、

おしゃべりしていた私たち



自習室に移動しようと階段を上がっていた時




階段でイチャつくカップル



あ〜  何やってんだか 

視線に入れないように足早に駆け上がるも



そのカップルは



そう、ヨウスケと彼女?



階段の段差を利用して

バックハグスタイル

で座ってる男女は 



付き合ってる 



だよね?!!




その姿を見なくていいように


カップルと私の間をノブが通り抜け


サッと私の右手を引っ張った。



自習室のある階につき

力の入っていたノブの手が


もう1度 

さらにぎゅってした後

そっと 離れた



無言のまま

自習室に入り

別々の席に座って

私はひたすら数学の問題を解いた。



ふと 

顔をあげると 

通路を挟んだの席でノブが勉強していた。



ノブも顔をあげて

私の耳に小さな声で


『終わったら、駅まで一緒に帰ろ、な』


私は、小さく頷き、

集中力を数学から化学にかえて、

さっき見た光景を思い出さないようにした。



ノブと2人で予備校を出て、

駅までの途中の公園のベンチで




ノブ

『大丈夫?』



「何が?」



『数学、難しすぎじゃない?』



「私、国立理系だし、私立文系のノブとは必要な数学が違うだけだよ」



『眉間にシワ寄せて、解いてたから』



「えっ◟◉)うそ??」



『ウソ、ウソ』



ノブが心配してくれてる優しさと

私が強がってることが、

少しの沈黙ののち


「ありがとう、たぶん、大丈夫。

馬鹿な女にはなりたくないって、集中するよ、勉強に」



『そーゆーとこ、ホント、可愛くないよな〜、お前』



「だね。

ただ、ノブが手、ぎゅってしてくれて

 転けそうな気持ちが、

すっと無くなってた。」



『ごめんな。

あの時、

何て言葉かけていいかわからなくて、つい、

力入った。』



「さっきの、自習室で横で勉強って話 

甘えていい?」



『もちろん。教えあえるってことは無いけどな!』


ノグは私のおでこを軽く指でツンとして


放課後の勉強友達契約が成立




近所の景色;フェリーとヘリコプター