弁護士事務所で、先生に会うまで、良い先生でありますようにと緊張と祈りでドアを開ける。

立っていらしたのは女性、しかも、20代の私と同じくらい若い先生だった。

きびすを返した後ろ姿、ストッキングにはラインストーン。

そのらしからぬ見た目に、少し不安を感じた。

席につくなり、用件の紙に目を通し
『時間がもったいないので、さくさくいきましょう。第1希望は、不倫相手の妊娠の有無を確かめたい、で間違えないですか?』

「はい」
私は持参した、BM夫といちのBJ Nsのメールをプリントアウトしたファイルを渡した。

一通り目を通した女性弁護士の先生は
『ひどいですね。妊娠の有無もですが、女性から慰謝料をとることが、可能ですよ。このメールが、不貞の証拠になりますから。』

驚いている私に
先生『離婚は?されないんですか?』

私「はい。今は。」

少しの間をもって、先生はわかりやすく、説明してくれた。

✳︎今すぐ、離婚は、いちのの思うツボ。

✳︎慰謝料300万円を請求する。

✳︎妊娠の有無ではなく、妊娠していないという念書を交わすこと。

✳︎BM夫との関係を解消し、以後、仕事以外で接触しないという念書もとる。

✳︎相手の出方によっては、裁判も辞さないの姿勢。


以上の内容で良ければ、受けますと、強い口調で言ってくれた。

正直、ここまで、あっさり、きっぱりと力強く言われたのが、同じ女性として、同じ女性に対して、小気味良かった。

もちろん、すぐに私は契約書をかわした。

先生『私、新婚なんで、こーゆーの嫌いなんです。もう、1人じゃないですから、一緒に頑張りましょう。』

新婚さん⁈への驚きと申し訳なさ以上に、味方だと宣言してくれた言葉に、我慢していた感情が溢れ出して、号泣してしまいました。

泣いてる私に対して、先生は冷静に
『精神科、受診して、診断書ね』

今、思いだしても、この女性、本当に出来る弁護士だと思います。