人間は強いもので、
わたしもずいぶん立ち直りました。
そして、どれだけセージくんに依存していたかを感じるようになり、
見えてくる景色も変わってきました。
今まで何気なく守っていたもの、
多分、自己防衛の殻のような、
傷付かない為の予防線のような、
そういうものがなくなったんです。
セージくんという、何よりも大切な
何よりもあたしを護ってくれていた
そのものがなくなってしまったから
わからなくなってしまったのかな。
ずっと大切に思っていた友人、
何度傷つけられても裏切られても
それでも特別に思っていた人、
自分が何をそんなに大事にしていたのかわからなくなってしまいました。
今まで、築き上げてきたものが
一瞬で崩れたって思っていた、
永遠 だと思っていた友情、
でもきっと築き上げていたのは、
そういう素敵なものじゃないんだな
ただの、幻想、
わたしたちは仲がいい、
そういう、夢。
やっと、自分自身になれたのかもしれない、
狭い世界から抜け出して、
周りを見れるようになったのかもしれない。
そのきっかけはやっぱり、
セージくんがくれた。
哀しくて
今でも死んでしまいたくなる時はある
今まで生きてきた中で
一番つらかった。
だけど、強く生きると約束したから
そんなことは口にしない。
そんなことは口にできない。
だから精一杯、生きる。
そう誓ったんだ、
笑って、笑って、空に届ける。
ここ数日、朝はのんびり寝ていたら
セージくんの声に起こされたんです。
驚いて、あたしは長い夢から
ついにさめたのではないかと
しばらく動けずにいたら
その声は外の鳥。
ああ、毎日毎日セージくんは、
この声を聴いて真似をしていたんだな
現実にかえることはもうそんなに
難しくはない。
ちゃんと向き合えたつもりだし、
こうして姿は見えなくても、
セージくんの生きた証は
毎日、どこかに少しずつ感じられて
外の鳥が教えてくれたりする。
不思議なことはたくさんあった。
ちゃんと、見ててくれる、
そう、わかる。
だから、ずっと、愛しています。