女医さんに紹介してもらった大学病院の先生は、これまた女の先生でしたが、この先生は突然の展開に動転し涙が止まらなくなってしまった私に、とてもとても優しく接して下さいました。大学病院でもすぐに採尿・採血になりましたが、もうその時点では自分の中で「間違いなく糖尿病だ」と覚悟を決めていたように思います。だから、先生に「お恐らく一型糖尿病だと思います」と言われた時も、「ああやっぱり」という気持ちと、「これから一生どうしよう」という気持ちが入り交ざり、もう頭の中はパニック状態。もう泣くしかなかったのです。でも先生が優しく「大丈夫だよ。私は100人以上糖尿病の子たちを診てきたし、1歳でなった子も0歳でなった子もいるよ。帰る頃にはすっかり元気になってるからね」と、泣き崩れる私の方を擦ってくれました。前の病院では不安な思いしかなかったけれど、この先生ならきっと信じられる、娘を助けてくれる、と思わせてくれました。
血糖が高く脱水状態になっていて、さらにまだ一歳の娘の体では血管が見つけにくく、点滴をするにも採血用の管を通すにも永遠かと思えるほど時間を、待合室で娘の泣き叫ぶ声を聞きながら過ごしている間、色んなことが頭をよぎりました。でも、あんまり覚えていないのは、きっと一気に事が進みすぎて、頭の中の整理がついていなかったんでしょう。泣きすぎたせいで頭がボーっとしていたせいもあるのかもしれません。よくドラマで見るようなストレッチャーに乗せられ、これまた泣きすぎで疲れ果てた娘が、両腕に点滴用と採血用の管を巻きつけて出て来て、一緒に病棟まで移動になりました。「2、3週間の入院になるかな。でも、お母さんの覚えが早ければもっと早く出られるからがんばってね」と、先生に言われ、病棟の案内をされたり入院の手続きをしたり、他のお医者さんがたくさん挨拶に来たり、あっという間に夜になりました。大学病院に行く前に、入院になる旨は電話で伝えられてはいたけど、もうあの時は頭がパニくっていてバッグに何を入れればいいかもわからず飛び出してきたので、とりあえず仕事が終わったら夜ダディーに足りない物を持ってきてくれるよう電話で頼みました。朝は一緒に小児科に行ったけど、大学病院には仕事で一緒には来られなかったダディー。彼も心配で頭がおかしくなるような一日を過ごしていたんでしょう。私も、バタバタと事が進む中で、たぶんダディーに会いたくてたまらなかったのだと思います。ダディーが病室に着いた時、ようやく眠りに着いた娘を挟んで、お互いに声を殺してしっかり手を取り合い、ボロボロ泣きました。でも、この時ほど家族の絆を強く感じたことはなかったと思います。去年の地震の時よりも、更に強く感じました。大きなチャレンジを抱えた私たちだけれど、きっと大丈夫、乗り越えられる、と、苦しくて不安でたまらない一日の終わりに、やっとそう感じることが出来たのです。
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