ドラムはどうやって録って、どうやってMIXすればいいのか? | smooth foundation代表 Motoki Mike Sagawaのblog

ドラムはどうやって録って、どうやってMIXすればいいのか?

こういう質問をよくいただきます。
最近なんかだとドラマーが自分で録ったりもするので
ドラマーの方からも聞かれたりする機会は増えました。

僕もエンジニアをスタートする前は色々調べたり
それこそMIX magazine(アメリカの音響雑誌)なんかを読み漁ってました。

どんなKickにはどんなマイクが良いのか
スネアはどんなマイキングすればいいのか
mixんときどんなコンプをどんな設定で掛けるのか、など。。

こうした疑問はきりがない。

ここではっきり断言しときます。
正解はない
ということです。

ただし、正解はないんだけど、現場ではプレイヤーやディレクター、プロデューサーから
答えは求められます。エンジニアとしてその場でベストなチョイスと音を作ることを
必ず求められます。それに応えられない、自分の答えを持って無い奴は現場にいる意味はない
と思っています。
それはアシスタントだとしてもそうです。

僕がまだアメリカでアシスタントをしていたとき、師匠のTJ HELMERICHという男は
自分でマイク選びやマイキングをせずに常にアシスタントでついていた僕に任せていました。
TJはドラム録りに定評があり、ワールドクラスのドラマーが彼で音を録りたくてよく
スタジオに集まってきていました。
Dennis ChambersやVirgil Donatiのトラッキングでも彼は僕のマイキングで進めてました。

いつも「試されてんなー」と思いながら自分がベストと思うマイクとベストと思うスポットに
マイキングをしてTJに音をパスしていました。
そうするとコントロールルームでTJがレベルチェックしながら卓をいじり、僕が戻るころには
ドラムブースで僕が聞いていた生のドラムの音がそのままコントロールルームで鳴っている。
そして親指を立てて僕を待っている。
そこには彼の超絶な技術が詰まっていました。

●恐ろしいほど正確に音のキャラクターを捉える聴覚
●機材に対しての深い知識と理解度

これで僕がどんなマイク使っていたとしても、どんなところを狙っていたとしても
忠実に生の音を捉えていたし、だからそこプレイヤーから絶大な信頼を得ていたんだと思います。

MIXではまたそれをぶっ壊していくんですが、ギタリストでもある彼が良く言っていたのは
「エンジニア」も「アーティスト」なんだと。
彼のアプローチや考え方は今でも僕のベースになってるんだと思います。
さすがにアシスタントにマイクを任せる域には達してはいませんが、
気がつけば機材や環境にそれほど左右されずに安定のクオリティーで
音を録ることができています。


どうしたら安定したクオリティーで録れるのか?

感覚と経験と形にする技術の複合的なアプローチで成り立っているので
決してセオリー通りのやり方はありません。
これはもうhands onでないと伝えられないので
ワークショップでも企画しようと思っています。