まず先に前回のブログ更新で、あり得ないほどのアクセスを頂きました事をお礼申し上げますm(__)m
 
と言ってもアクセス数が伸びても私には得が有る訳では無いのですが・・・まぁ御覧頂けるのは有り難い事です(^^)
 
ところで今回は日本の自動車メーカーが発売しているSUV車の傾向について書いて行こうと思います。
 
現在生産されているSUVで実際にオフロードをガンガン走れる車が有るのか?というお話を私なりの解釈で書かせて頂きます。
 
そんなのデカイSUVなら走れんじゃね?っていう方もいらっしゃるでしょうが、実はそうでも無いんです。
 
オフロードを走る為には必要な要素が幾つかあります。
 
1.最低地上高
 
最低地上高とは地面からその車両の一番低い部分までの高さの事です。
 
この数値が多いほどクリアランスが広くなるので、地面の凹凸が激しい所を走れる事になります。
 
2.アプローチアングル
 
これは前輪の接地点から車両先端の底部までの角度の事で、この角度が大きいほど急勾配への進入時や脱出時にボディへヒットしにくい事になります。
 
3.ランプブレークオーバーアングル
 
これは前後の車輪の接地点と車体の底部を結ぶ三点の角度の事で、底辺部分から各車輪までの角度が大きいほど地面の凹凸が激しい所を走れる事になります。
 
4.デパーチャーアングル
 
これは後輪の接地点から車両後端の底部までの角度の事です。
 
アプローチアングル同様この角度が大きいほど急勾配への進入と脱出が出来る事になります。
 
5.4WD・AWD
 
4WDはトランスミッションからの動力を前後両方の車輪に伝える機構で、機械式で4輪全てに駆動力が伝達される物と電子制御と油圧を使って前輪と後輪にトルク配分を行う物があります。
 
駆動力が伝わる車輪が増えるので出力数値以上の走行性能があります。
 
昔のオフロード車の場合は必要に応じて2輪駆動との切り換えが出来るパートタイム4WDが主流でした。
 
でしたと表現したのは、近年のSUVではパートタイム4WDを採用している車種が減って来ているからです。
 
近年では電子制御によって駆動力をコントロールする4WD機構が主流になっています。
 
AWDとは4WDの機構をベースにして電子制御によって4つの車輪を個々に独立してコントロールを行う機構で、4WDよりもきめ細かな制御が行われます。
 
各車輪へのトルク配分だけでは無く、時にはブレーキ制御まで行うこの機構は滑りやすい路面での効果が絶大ですが、反面常に電子制御による介入がある為に通常走行での燃費に結構影響を与えます。
 
6.ローレンジギア・トランスファー
 
ローレンジギアは普通の乗用車には存在しない物で、通常速度を上げて走る為のギアの他に速度は出せなくても駆動力を的確に安定して路面に伝える為のギアがローレンジギアです。
 
通常走行を行うハイレンジギアと切り換えや2輪駆動との切り換えを行う為のトランスファーとセットになっています。
 
本来オフロード走る為にはこれらの要素を満たしている事が結構重要で、他にもスタックした時に左右の車輪に同じ回転値のトルクを伝達するためのデフロック機構やLSDなどもあります。
 
さて現在日本のメーカーにおいて、これらの要素を満たした車はあるのか?と言うと・・・あるのです。
 
最も古典的な機構で要素を満たしているのはスズキのジムニーです。
 
トランスファー機構のパートタイム4WD、ローレンジギアや200㎜以上の最低地上高を常にキープする事が出来る前後リジットアクスル構造に各アングルのキャパシティなど、まさにオフロードを走る為に作られたクロスカントリー車両です。
 
ジムニーには660ccの軽規格と1.300ccがあります。
 
実際、ジムニー以上にオフロードを走破出来る市販車はほとんど無く、耐久性においてもトップクラスです。
 
しかし欠点もあり、出力が小さい事や乗り心地が悪かったり、段差を速い速度で通過した際に起こるステアリングジャダー(前輪が小刻みに震える現象)が発生したりします。
 
他にもトヨタのランドクルーザー・プラドやスバルのフォレスターなどオフロードに耐性のある車両はあります。
 
では一般的なクロスオーバーSUVはどうか?と言うと、ほとんどの車両はアプローチアングルが明らかに足りなく、ホイールベースが長い車両も多いので、せいぜい砂利道程度のラフロードぐらいしか走れない事が多いのです。
 
何故その様な車両が多いのかというと、あくまでも私の憶測ですが『対人事故に伴う被害者の保護』という様な車両製造に関する規制があるのではないかと思います。
 
つまり車両の下に人間が巻き込まれる様な構造にするなという事でしょう。
 
また最低地上高も低いSUV車両が多く、舗装道路を走行する事を前提に作られた車両が多い様です。
 
昔風に言うとアーバンSUVという雪道を意識した最低地上高が然程高く無いモデルもあります。
 
最近の車にはフロントバンパーの下に、制風効果の役割をもたらすチンスポイラーが付いていますが、本来この様な部品は日本国内の道路の様に100km/h程度の速度で走行する事を前提にする上では必要無い物なので、もしかするとこれもその規制に合わせる為に付けられている可能性があります。
 
まぁヨーロッパのアウトバーンみたいに150km/h以上で巡行する場合は別ですが・・・。
 
現行型のジムニーは1998年から型式が変わっておらず、マイナーチェンジを繰り返して製造されています。
 
現在の様なチンスポイラーやフロントが低くデザインされた車両が増えてきたのは恐らく2003年以降あたりなので、新しく登録される新型車には取り付け義務があるのかも知れませんね。
 
今後はオフロードを意識した車両は減って行くのかも知れませんね。
 
ジムニーやランドクルーザーの様なオフロードを意識した車両は災害時にも結構役立つので、本当はもっと増えて欲しいのですが、これも時代の流れなんでしょう。
 
という訳で今回は日本の自動車メーカーにおけるSUV車の傾向を私なりの解釈で書かせて頂きました。