電子タバコと呼ばれる物は、驚く程前から存在しております。
 
最初に登場した物がどんなものなのかは分かりませんが、私の知る限りでは20年程前には既に存在していました。
 
その当時の電子タバコは煙草型の本体にフレーバーの染み込んだカートリッジ式の物をセットする物でした。
 
最近でも同じ様な物が販売されていますが、その違いは大きさと使用出来る時間です。
 
当時は一回の充電でせいぜい15分程度しか使用出来ませんでしたし、フレーバーの香りも長持ちしませんでした。
 
まぁ美味しくも無かったのでメンソールが大半でしたが、発売当初は結構話題になりました。
 
喫煙者にはなかなか受け入れてもらえず、使用した人も直ぐに飽きてしまった様です。
 
最近ではバッテリーも改良されて、フレーバーも豊富になりましたが、コアなマニアや禁煙グッズとしての利用がメインとなっている様です。
 
そこで近年に登場したリキッド式電子タバコが現在Vapeと呼ばれ、アメリカを中心に広まりました。
 
今までに無い煙量と多彩なフレーバーのお陰で、瞬く間に市民権を得たという訳です。
 
しかしVapeも最初は怪訝されていた様で、フレーバーリキッドの安全性や身体への影響等、現在日本国内で疑いを持たれている様な内容の問題が原因で意見が分かれていた様です。
 
生産されている大半が中国製品という事もあり、初めの頃はサブカルチャー的な要素が強かったみたいですね。
 
アトマイザーや本体の改良や、リキッドの自国生産等、細かな問題の改善によってアメリカ国内でのシェアが拡大しました。
 
ヨーロッパも同様で、製品管理の改善や生産業者への働きかけにより、更なる安全性の向上を図ったのです。
 
しかし利用者の使用法により起こった事故等が原因となって、各国で規制が出来たということです。
 
さて、日本国内にもマーケットが広まりつつあるVapeですが、諸外国の様には広まらない可能性があります。
 
このマーケットに本格的に参入する企業が少ない事と、国内における電子タバコの立ち位置が明確では無い事が原因ではないかと思います。
 
法による規制が無い為、どの種別で取り扱うかが明確では無いのです。
 
日本では法整備をする際に、どの省庁が管轄するかを決める必要があります。
 
つまり家電と同様に扱うのか、玩具として扱うのか、又は煙草と同様に扱うのかでも管轄する省庁が変わって来ます。
 
今までの電子タバコは玩具として扱われていた事もあり、何かと扱いが難しい様です。
 
リキッド式電子タバコの場合、リキッドと本体、バッテリーやアトマイザーの全てに規制を掛ける必要があると考えられている様で、それぞれの管轄をどうするかによって掛かる規制も変わって来る訳です。
 
特にリキッドは原材料や成分の表記の義務付けが必要になるかも知れません。
 
日本では今まで、煙草以外ではVapeの様な化学反応を利用した嗜好品が無かった為、こういった物の場合は問題が発生するまで政府が干渉しないのです。
 
利用する人口が少ないという事もあるかと思いますが、一般的な目線で見れば安全面に疑問がある物には規制が必要でしょうね。
 
私自身リキッドに関しては法規制が必要だと思います。
 
出所の分からない物は何が混入しているか分からないという事もあります。
 
実際リキッドに麻薬を混入しても見ただけでは分かりません。
 
体内に吸引する訳ですから、毒物の混入なんてのは持っての他です。
 
これに関しては従来の電子タバコでも言える事ですが、製造から発売までの流通が分からない物程怖い物は無いのです。
 
現在では良心的なショップがリキッドメーカーとの直接契約を結んでいますが、ネットショップ等では未だに中国製のメーカー不明なリキッドを扱っている所もあります。
 
リキッドの原材料と言えばベジタブル・グリセリンとプロピレン・グリコール、香料となりますが、粗悪な材料を使用している可能性が無いという保証が無いのです。
 
検査機関に関しても、国によって検査基準が異なる場合があるので、安全に関する認識も国によって異なるという事になるのです。
 
国内での販売基準を明確にすれば、この問題は解決すると思いますが、現在ではメーカー側の公表している内容を自分で判断して購入するしかありません。
  
個人的には取り扱い業者の負担を減らす意味でも、きちんとした法規制をして貰いたいと思っています。
 
一方で厳しい基準で規制された場合、販売出来る物がかなり少なくなって来る可能性があります。
 
安全面で考えると現在主流となっているサブΩ機は対象外となる可能性があるからです。
 
ヨーロッパではペンタイプの小型のVapeが主流となっていますが、これも安全面を重視している可能性があります。
 
この流れで日本国内で規制された場合は、国内のVapor人口は減ってしまう可能性もあります。
 
現在Vaporの方々は爆煙志向な人も多いので、規制によって離れて行く人も多い可能性があるのです。
 
私はフレーバーを楽しめれば良いと思いますが、ある程度ミスト量が多い方が美味しく吸えたりするのです。
 
規制は必要だと思いますが、ある程度の糊代は欲しい、我が儘ですね。
 
今後電子タバコに関する政府の見解がどうなるかで、発展か衰退かが決まります。
 
それまでは、出来るだけ楽しみたいと思います。