ヤツにとって私、いいオンナなのね
っていらねーわっ!

 

2022年12月上旬、告知から20日ほどたった頃、大学病院での初めての診察。

忙しい大学病院の乳腺外科は、いつにも増してたくさんの患者で溢れていた。

 

年末だもんね、師走はどこまかしこも大賑わい。

そんなことすっかり忘れていた、とことんのんきなおひとりさま。

 

待合室で待つこと・・・待つこと・・・うとうとうと・・・スピーっと気持ち良くなってきたそんな頃合い、お呼び出しされてお目目ゴシゴシと診察室をノックして入室した。

 

あれまっ!可愛らしい女医さん登場。

テキパキとした若い女医さん、質問に対しても

「なんでもどうぞ!!」と気持ちよく答えてくれた。

こういうの、安心するよね。

 

どうやら、あまりの忙しさにこの日は主治医が対応できず担当医の先生が

説明を担当してくれたとのことだった。

 

・ホルモン感受性 陰性

・HER2 陰性

・トリプルネガティブ

 

クリニックから渡された手紙の内容をおさらいする。

さらに、ここからクリニックから検体を取り寄せ、病理に出すこと。

そして、前回8年前の乳がんの検体を取り寄せ、病理に出すとのことだった。

 

超音波で、ガンの位置や大きさを改めて見てくれている時

恐るおそる、でも聞かずにはおられない事を聞いてみた。

 

「あの・・・抗がん剤とか使うんでしょうか・・・ね?」

 

答えは明快だった。

 

「そうですね、この結果が本当なら・・・使うことになります」

 

ガガーン!!!!

 

前回が、ルミナールAだった私は抗がん剤をしたことがない。

・腫瘍サイズはおよそ1.7cmの ステージI

・乳房温存術による部分摘出

・リュープリン注射

・タモキシフェンの服用を約5年

私はこれを乗り越えた!今回も乗り越えられる!!と勝手にルミA設定になっていたからアラ大変!一瞬にして東尋坊の崖っぷちに立たされた気分になりました。

 

抗がん剤、手術、、、、つらい辛い治療だけど、それも出来ない場合もある。

そんなこと、教えてもらうまで考えたことがなかった。ガンはやっぱり、とてつもなく怖い病気。

 

さてさて、超音波で腫瘍のサイズはひとまず2cmをきっている様子、ステージ1-2。

カタカタと私に必要な検査の手配を先生がしている傍でお行儀よく待つ私。

 

クリニックからのお手紙が見えていたので、これを見せて欲しいと先生に頼んだ。

「渡すことはできないけど、見てもいいですよ〜」と言われたので

知ったかぶりで、ふむふむと検査結果を眺めていたら。

 

そこにあった「ki-67」の文字。

知ってる・・・これ、ガンサロンのみんなが話してたヤツ・・・

ちょっとしたブランドの新作みたいな名前でカッコいい・・・とすら思っていた。

 

「ki67・・・・80%」おぉ・・・なんか高いぞ。

 

ど素人、意気揚々と先生に質問する。無知とは恐ろしいことでございます。

「先生!ki-67ってなんですか??私、高くないですかっ!?」

 

「あぁ!それは・・・」と、丁寧に説明してくれた

 

・Ki-67とは、

Ki-67は,10番染色体長腕に存在する遺伝子により・・・・ハイっ!割愛!!

つまり、ガンの細胞増殖のスピードの速さ・・・的なものです。

 

簡単にいうと「元気で勢いのあるガン細胞٩( ᐛ )و」

と、いうことで悪性度が高くタチが悪いってことの様です。

 

調子こいて、元気に質問してる場合じゃなかったわよっ!

私の左胸に出来た新しいガンは、前回のおとなしいヤツとはどうやら違う。

 

男運は・・・確かに・・・あるとは言えない。

性格も、天使のような要素はない・・・

でもでも、友達はたくさんいるし

ちゃんと神社で世界平和を祈ったりするし、ちゃんとごめんなさいとありがとう言えるし。。。。

 

こんなタチの悪いものに、好かれる言われないんだけど!!

っていうか、モテたことないのにガンには3回もなってるんですけど!!!

 

そんなに魅力的ですか?がん細胞さんにとって私・・・くそぉ〜!!!

 

山盛りの検査予定が書かれた用紙を握りしめ、小さなカバンできたことを

ちょっと後悔した火曜の午後。

 

これからが治療本番なんだよね、未知の世界に一歩、頑張るぞって思ったよニコニコ

 

チャン♪