自転車で行ける距離のとこでこれが上映されているのを昨日たまたま知り、すかさずチケットを取った。
昨日が最終日だったみたいで、気づけたのは奇跡に近い。

実はチャーリー・ワッツが8月に亡くなったのを、知らなかった。
いやスマホでニュースを目にした記憶はうっすらあるのだけど、その頃は父の納骨や諸手続きで気持ちに全く余裕がなく、頭に入っていなかった。

映画館で映画を観るのが好きだったのに、もう1年以上観ていない。
どスッピンで手ぶらで自転車で観に行けるなんて、それだけでワクワクする。
行って良かった。


ストーンズの臨場感溢れるレコーディング風景のドキュメンタリー映像と、ゴダール的な政治色強いシュールなフィクション寸劇が交互に映し出され、当時の混沌とした空気感がリアルに感じられた。
バラバラな映像のようで、最後は繋がる。
ミック・ジャガーが仕切ってるのは感じ悪くてイラッとしたりしつつも、曲が劇的に変わって仕上がって行く様は鳥肌。

この翌年にブライアン・ジョーンズは亡くなるのだけど、ブライアンの孤立感が際立ち、曲が完成されていく頃には姿も見えなくなるというのが、それを示唆しているようで哀しかった。
ある意味、すごいドキュメンタリーかもしれない。

今はもう無い吉祥寺バウスシアターで観た、『ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男』を思い出した。
パンフレット取ってあるかもしれないと思って探したら、あった。
バウスシアター大好きだったので、懐かしくも切ない。


昨日はレイトショーだったのだけど、着いた時点で客は私と、後ろの方の席に白髪混じりのロン毛を1つに束ねたおじさん1人だけ。
リアルタイムでストーンズ聴いてた世代の、音楽好きな人だろうか。
何かしら楽器とかやってそう。
しばらくすると、白髪混じりのロン毛を1つに束ねたおじさんが、前の方の席に座った。
ガラガラだから見やすい席に移動したんだな、
と思いながら、ふと後ろを振り返ると、

あれ…?

いる!!?

前に座ったのは、同じ髪型の同じくらいの年齢の別人だった。
まさか映画が始まる直前に、衝撃を受けることになるとは。


結局客は、私入れて3人だけだった。
もし私が居なかったら、あの2人があの閑散とした広い空間で2人っきりだっとのかと思うと、更にシュール。