ソムリエ第23弾★稽古の言葉(大野 一雄) | ソムリエ☆メンバーズのブログ。

ソムリエ第23弾★稽古の言葉(大野 一雄)

ご無沙汰してます。
シュール担当です。

繁忙期も終盤ですねー。
なんとか乗り切りましょう。

今日は、心がささくれ立った時、自分に立ち返るための本をご紹介。

大野一雄「稽古の言葉」



★★大野一雄 解説(うろおぼえ)★★
1906年生まれ、舞踏家。敬虔なキリスト教徒としても知られる。
定年まで横浜の高等学校で体育教師を勤めながら、モダンダンスを踊る。戦後、戦地での経験から「弔いの、暗い踊りを踊りたい」と暗黒舞踊に着手。

土方巽と共演したことも。高校退職後、「自分の踊りを見つけるため」10年間 舞台から姿を消し、独特の映画を作り続ける。

1977年、土方巽演出「ラ・アルヘンチーナ頌」で華々しく復活。当時すでに61歳だった。

★★本の紹介★★

これは、10年ほど前まで大野一雄が横浜の自宅で行っていた稽古の記録。
生徒は特に資格を問われず、ダンサーからサラリーマン、学生まで様々。

そうした「素人」に語りかける言葉は、踊りだけでなく生命の本質を突いている。

私がこの本に出会ったのは高校の頃。
当時は舞踏もなにも知らなかったけど、たまたま本屋でこの本をめくった時の
衝撃といったら…。

体で表現をする人らしく、
理屈で整理されない生のコトバが並んでる。
辿っていくと、ああ、この人は、宇宙がはじまってから終わるまでの時間のなかで、
自分の身体を捉えてるんだなあ、と気づく。

たとえば「箸をもつ」動作について。

「箸を持ってご飯を食べるときに、その箸が宇宙の果てまで伸びていって、

あなたが生きている証しのような、喜びのような、悲しみそのもののような箸となって、

あなたが食事をするときに何気なくもつ箸が、そんな箸であってほしい。今は気づかなくてもいいが、

千年たっても万年たっても気がつかないとすれば、その箸の持ち方はだめだ。」


…素朴な感想ですが、私はこの本を読むと、自分をきちんと愛せるような気がして救われます。

心みだれて、まっさらな自分に立ち返ってみたいときに、ぜひ。

DVDも貸し出すよ。

オススメ度★★★★★
「好きな本」の中のひとつに入れるくらい、オススメ。
ぜひ、読んでほしいです。