2018年オランダ・ベルギーの旅(その2)アントワープ

 

 

少し前に先輩の先生と食事をしたときにたまたま「フランダースの犬」の話になり、いつか必ずアントワープを訪れたいと思っておりその夢が今回実現いたしました。写真は「フランダースの犬」の主人公、ネロが恋焦がれたルーベンスの「キリスト降架」「キリスト昇架」「聖母被昇天」が飾られているノートルダム大聖堂です。「フランダースの犬」はベルギーではほとんど知られてなく、著者ウィーダーの母国イギリスと日本で大いに読まれており(確認しておりませんが英語圏では多少読まれているのではないかと思います)、我々日本人にとり聖地のようなところだと思います(勝手な見解)。

 

 

 

ヨーロッパの典型的なカソリック教会(ノートルダム大聖堂)の内部です。ルーベンスの絵画を垣間見ることができますが、ルーベンスはヨーロッパの絵画世界に多大なる影響を与えた画家で弟子にヴァンダイクもいます。ルーベンスは親方にイタリアへと派遣されそのことがきっかけになりその才能が花開きます。生涯イタリア語で文章を書くことを好んだといわれております。

 

 

 

 

これは「キリスト昇架」で、「フランダースの犬」に描かれておりますが当時これらの絵画に布がかけられておりお金を払わなければ見ることができなかったそうです(著者ウィーダーは当時のこの習慣を批判的に描いたといわれております)。

 

 

 

 

「聖母被昇天」。ルーベンスの人物画はとても肉感的でモネの人物画を彷彿とさせます(表現としては逆でモネの絵がルーベンスを彷彿とさせる)。

 

 

 

ルーベンス「キリスト昇架」。少年ネロはアントワープの街で主催された絵画コンテストで本来なら当選するはずが・・・。おそらく政治的な理由で落選。ネロの落胆ぶりが想像できます。

 

 

 

 

 

アントワープの市庁舎。伝統を感じさせます。ヨーロッパの人たちが京都を訪れその建築美を感じるように日本人から見てその美しさきらびやかさに驚かされます。ところでアントワープの意味は?アントはハンドで手、ワープは投げるで、カエサルの甥が巨人アンティゴーンの手を切り落としシュケルデ川に投げ込んだことに由来します。市庁舎前の彫刻には手を投げ込むブラボーの姿が表現されています。

 

 

 

 

 

 

 

市庁舎前でアクロバティクなパフォーマンスをする女の子の集団。

 

 

 

 

ホボーケン。今回のハイライト。ネロの住んでいた村でアントワープから車で約10分。ここを調べるまで結構時間がかかりましたが、地球の歩き方にあっさり書かれており、あの苦労は何?と少々がっかり。

 

 

 

 

ホボーケンの村に立つネロとパトラッシュの像。ベルギーでは全くと言っていいほど知られていませんが日本人がおそらく数多く訪れ建立されたのかなと思いました。ここホボーケンからノートルダム大聖堂を望むことはできませんし(現在は)、毎日ここからアントワープの街までミルクを運ぶネロとパトラッシュはさぞ大変だったろうと思います。あらためて「フランダースの犬」を小説として読むと心揺さぶられますし、我が家の上賀茂のイカヅチの000の神はその物語を読み毎夜涙しておりました。今回も自己満足の旅をしましたがこの名作の舞台に立つことができいい思い出ができました。