過剰歯を知っていますか?

過剰歯とはその名の通り、余計にある歯のこと。



息子に過剰歯があることが分かったのは、2020年の秋(幼稚園年長)、矯正治療を始めるために歯科レントゲンを撮った時でした。






こちらは、当時のレントゲン写真。


歯が2段に並んでいますが、下が乳歯、上がまだ歯茎の中にある永久歯です。


上の前歯に過剰歯が2本、永久歯と重なるように埋まっています。

白い矢印の下、薄く細長い形をしたものがそれです。



当時はまだ乳歯の前歯1本が抜けて数ヶ月経った頃。

レントゲンでも分かるように、過剰歯の1本は永久歯の前歯2本の間にあるため、このままだと隙間ができてしまいます(いわゆる、すきっ歯)。



その後生えてきた前歯2本の間は、やはり2mmほどの隙間が空いています。

過剰歯を抜かない限り、この隙間は埋まりません。




また、息子の過剰歯は、「逆性過剰歯」といって通常の歯とは逆方向かって生えるため、鼻側方向にどんどん生えてしまうと危険です。


過剰歯は特に問題がない場合、抜かないこともあるそうですが、息子の場合は抜かない選択肢はありませんでした。





早速、紹介していただいた大学病院でCT検査。


『経過観察をしながら、永久歯の根が出来上がる頃に抜歯しましょう』ということになりました。



抜歯を7歳以降にした理由は、全身麻酔が使えるのは7歳からだったためです。

当時、息子はまだ5歳、全身麻酔は使えません。



鎮静剤と局所麻酔での手術も選択肢としてはありました。

が、鎮静剤ではしっかり寝てくれず、意識があるケースも少なくないんだそう。


鎮静剤が効ききにくかった場合は、オペ中の記憶が残ってしまいます。

ここは個人差が大きく、やってみないと分からない。

かと言って、一か八かに賭けるなんてことはできません。



骨を削ったり、歯を抜いたり…

大人でも見ていたくない、経験したくないオペ中の意識があるなんてことは絶対に避けたかったので、全身麻酔を選びました。




今すぐ抜歯が必要な状態ではなく、全身麻酔ができる7歳まで待つことができたのは、不幸中の幸いでした。




ただし、全身麻酔をするにあたり大きなハードルがあります。

コロナ禍の今、2週間の自宅待機が必要になり、息子はその間一歩も外に出られません。


私も感染しないよう、とにかく外出は短時間&最小限にし、人との接触も控えていました。



この2週間の自宅待機が難しく、鎮静剤を選ぶご家庭も少なくないそうです。








手術の内容は、


歯肉切開→歯肉剥離→骨削→過剰歯抜歯→歯肉復位→縫合→圧迫止血


という流れ。



簡単に言えば、上顎を切って開いて、骨を削って、2本の歯を抜く。



聞いただけで痛くなりそうな内容です。





今年1月、CT検査の結果を聞きに行った時に、説明されたオペのリスクは


・上顎の麻痺の可能性

(個人差があり、ずっと残ってしまうことも)

・永久歯を傷つけてしまう可能性

(過剰歯の1本が永久歯の根に近いところにあるため。

まだ根が完全に完成しておらず、傷つけてしまうと、成長が止まってしまう。)




「麻痺」という言葉に、オペをするか悩みました。



さらに、過剰歯がかなり奥にあるので、『口腔外科の先生にもお話を聞いてみませんか?』


との提案をしていただきました。



正直、小児歯科では手に負えない程なのかとショックでした。



その後、口腔外科の先生ともお話をし、手術内容、リスクなどをもう一度説明していただいた後


『大した手術ではないという言い方は良くないかもしれませんが、これまでに同じようなオペを沢山してきています。』



その言葉に、決心がつきました。




『もっと大きな手術だと、上顎を外して・・・

そんなこともやってますから。』



と。

えっ?!上顎を外す?!



確かに、息子のオペは大したことありません。





最終的に、オペ経験の豊富な口腔外科の先生にお願いすることにしました。



当日は小児歯科の先生も立ち会ってくださることになり、心強かったです。






オペ前から当日までの流れ


オペ2週間前

術前検査

(心電図、胸部レントゲン、血液検査)



この日、麻酔科医から全身麻酔についての説明を受けました。



当日は、気管挿管(経鼻)と胃管留意を行います。


歯科手術では、鼻から人工呼吸の管の他、胃にも管を入れるのだそう。

オペ中に胃に流れていく唾液や水を吸い上げる為で、麻酔から覚めた後の嘔吐を予防できるらしいのです。


さらに、子供なので、万が一暴れないように、抑制ネットを使って、体全体を固定してオペが行われます。



麻酔のリスクとして

・麻酔が原因での死亡率は8万例に1件

・合併症(悪性高熱症、アナフィラキシーショックなど)



「死亡」や「合併症」と聞くとドキッとしますが、私自身、開腹手術や帝王切開でオペを経験していたので、この点に驚きはありませんでした。


それに、ここまで来て「NO」という選択肢はありませんからね。






術前検査後は自宅待機期間へ

(息子は外出禁止ですが、付き添いの私は外出okでした)


この日から、毎日朝晩、検温して指定の用紙に記入(息子、私)。

当日この用紙を忘れると「オペはできません」と言われていました。



オペ1週間前

PCR検査の検体(唾液)を提出



オペ前日

食事は21時まで



オペ当日

朝7時まで水分摂取はOK



8:45 病院へ

9:00 着替え

9:30 オペ開始

11:30 オペ終了



当日の持ち物

前開きのパジャマ(半袖、できれば前開き)

おむつ







2週間の自宅待機を経て、先週オペしてきました。







麻酔が覚めた後はしばらく外に出られなくなるので、今のうちに食事を済ませてくださいね



と言って下さったのですが、朝から絶食で頑張っている息子をよそに腹ごしらえなんてできません。


待合室で待っていてもなかなか時間が過ぎていかないので、病院の近くを歩いて過ごしていました。


4月だというのに真冬並みの寒い日でしたが、テクテク1時間半ひたすら歩きました。






全身麻酔の時間は129分。

長かったです。



過剰歯がだいぶ奥にあったそうで、骨を沢山削ったと聞きました。

でも、永久歯を傷つけることなく抜歯できたのは幸いでした。









何だか凄いのが出てきました。

獣の歯みたい。


抜歯した過剰歯2本です。






オペが終わり、先生から『麻酔から覚めたばかりで、少しご機嫌斜めです。』と言われながら息子の元へ。



息子、少しどころか、だいぶ機嫌が悪い。


ベッドの上であぐらをかいて『帰る!帰る!』『こんな硬いベッドと枕は嫌だ』『最悪な1日だ』と涙を流しながら悪態をついているようにしか見えない息子に引いてしまいました。笑



ちょっと私が想像していたオペ後の姿とは違います。


麻酔から覚めた後は、ぐったりなイメージ。

なぜ怒ってる?理解不能でした。



その後、落ち着かせて横にさせると、2時間くらいぐっすり眠り、起きた時はいつもの息子に。

きっと全身麻酔もオペも7歳の身体には、負担が大きかったのだと思います。





水を飲んで、気持ち悪さがないか、歩いてトイレに行けるかを確認して、帰宅の許可をいただきました。





13:40 会計




外に出たら青空が。

1年半、ずっと気掛かりだった過剰歯のオペが無事に終わって、私の心もこの日の空のようにすっきり。








帰宅したのは14時半。

私も息子も朝から何も食べていなかったので、急いで蕎麦を茹でて、遅めのランチ。



傷は痛むものの、食欲もあり元気でした。

翌朝は、消毒のため病院へ。

1週間後に抜歯したら、過剰歯の治療はおしまいです。






息子は2歳の時に転倒して、前歯の乳歯がほぼ陥没する怪我をしています。

それが原因で過剰歯になってしまったのではないかと、ずっと申し訳ない気持ちでいっぱいでした。



口腔外科の先生から、『それはないです!』と言っていただいて、心に引っかかっていたものが取れたような気がします。




過剰歯の原因は不明で、最近はとても多いそうです。

夏休みになると、大学病院では50件くらいオペをすると聞きました。



レントゲンを撮らないと気づかないことが多い過剰歯。

息子のように永久歯の前歯に隙間がある場合や永久歯がなかなか生えてこない場合、歯医者さんでレントゲンを撮ってもらうと良いかもしれません。





最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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