『陸と玲奈さん、組んだら最悪ね…
どっちもツッコミしないじゃない……』

『"……ねぇ、その"サリー"って名前、やめてくれない?
せっかく日本に来たんだから、日本の名前がいいわ!"』

『えぇ!?後ででいいだろ!!
あっ、そうだ、姉ちゃん。こいつらがこれだけ使えるか確かめるために、来週ぐらいに、強制的に臨時実践やることになったからな!』

「臨時実践……って確か、、
魔物討伐!?」

『変わったわ。奈多 彩美よ。
えぇ、実践しないと分からないことがある。
魔物がどういう存在か、と。
他に憑く生徒がいないかを来週まで待つ。
…言っておくと、拒否権はないわ』

「……分かりました。」

『話終わったか!?』

と言う陸の声が聞こえると同時に、美香さんから電話を貸してと言いたいであろう手が差し出される。

「陸、美香さんから話したいことがあるらしいから一旦切るね」

『え!?……おう』

そう犬の耳が下がるような声を聞いた後、少し罪悪感を感じながら切る。

「玲奈さん、貴方の制服が届いたわ」

電話をしてる時に来てたのかな?
全然気づかなかった。

「ありがとうございます」

「何にしたの?」

「セーラー服にした」

この学園は、セーラーとブレザーが選べる。
元々セーラーだけだったが、ブレザーの人気が上がり始めそれに乗じてブレザーも追加された。
だから、生徒会の人たちは全員セーラーを着ている。

「あ、そうなんだ。
お揃いだね!じゃあ、着てみてよ!
服は……私の部屋でいいから!」

「うん、ありがとう」

セーラーは黒に、上級クラスは白。
中級クラスは緑、下級クラスは紺。
特殊クラスが赤。
ブレザーは黒。スカートは赤と白のチェック。リボンはセーラーと同じ。
特殊クラスだから赤のリボン。
リボンは決まってから購買で買うようになっている。

………私の前の学校の制服はセーラーだった。
折角だからブレザーも考えたけど、結局セーラーの方が楽だろう、と考えてセーラーにした。
クラスが決まってからだからリボンは同封されていない。

だから、胸のあたりに違和感を感じる。

よし。

捻れていないかどうかを確認しながら下に向かう。

「着替えたよ」

「おぉ!!似合ってるよ!」

「…リボン、予備があったから巻いて」

「ありがとうございます。美香さん」

「……どういたしまして」

と美香さんが言った後、

「ただいまー!」

と言う、会長の声。

「…ただいま帰りました」

次に副会長。

「……ただいま」

最後は……誰?

「お帰りなさーい!」

「お帰りなさい」

「お、お帰りなさい?」

「…こんちには。佐藤 楓です。
基本的には生徒会室か、中級クラスにいます。短い間かもしれませんが、よろしくお願いします」

「よろしくお願いします」

「二人とも、同い年なんだから仲良くな!」

同い年なんだ…。

「えっと、よろしく」

「……うん、よろしく」

「ん、じゃあ。もう時期晩御飯だ。
食堂に行くか!」

「はい」

「はい!」

「はい」

「はい」

「……はい」

とりあえず、はい、って言っておけばいいよね。

「ねぇ、美沙ちゃん」

「ん?何?」

「食堂ってお金とか……」

「あぁ!!大丈夫だよ!
国営だし、魔法使いは色々優遇されるんだ。
まあ、その代わり魔物と戦わないといけないんだけどね」

と言いながら苦笑いをする美沙ちゃん。

…そっか、あまり実感なかったけど。

私たちは、ここで命を失うかもしれないんだ。

"信頼を集めろ"

お兄ちゃんの言葉が響く。

……お兄ちゃん、生徒会と話せるこのチャンス。

絶対ものにするよ。

私たち家族が、今日も生き残れるように。