smithのえいがのじかん
Amebaでブログを始めよう!

アワー・ミュージック

アワーミュージック アワーミュージック

なぜ、難解だと分かっていながら毎回観に行ってしまうのか・・・

そして観終わる度に自分の知識度の低さを嘆くことになるのも分かっているのに・・・

でも、他に比較するものがないくらいJLGの作品は映像が綺麗です。

第1部でのフィクションとノンフィクションの入り混じった映像の嵐、第2部でのサラエボの街と学生の姿、第3部での自然の持つ天国のような色彩。

ほんっとに難しくて、内容は半分も理解できていないのにも関わらず、画面は食い入るように見入ってしまいます。

しかし、今回は素晴らしいおまけがあったので、特別な楽しみ方ができました。

あの蓮實重彦氏の講演会が映画上映後にあったのです!!

お話ももちろん面白く(しかも分かりやすい!!)、興味深く聞くことができたのですが、ご本人もとても親しみやすい雰囲気の素敵な方でした。

もっとたくさんお話聞きたかったなぁ。

文章で読むよりも、お話の方が分かりやすいかもしれません。

もちろん、各誌でお見かけする評論も読み出すとすぐ引き込まれてしまうのですが・・・

理解できるできないに関わらず、作り手や書き手のパワーに私は魅了されているのかもしれませんね・・・

エリザベスタウン

いい映画でした・・・

見終わったあと晴れ晴れとした、すがすがしい気持ちになりました。

旬の若手俳優(オーランド・ブルームとキルスティン・ダンスト)共演が話題の、よくあるラブストーリーだと思って見ないでいる方はもったいないですよ~

私も実はそんな考えが7割、キャメロン・クロウ監督だからという期待3割で見に行ったのですが、実はとっても上質なロード・ムービーでした。

主人公ドリューは人生初の大失敗と父の死が同時に起こり、気力も希望も失ってしまいます。そんな彼の再生と忙しい生活の中で失っていた人間らしさを取り戻していく様が心のロードムービーとして描かれます。

後半、彼は父ミッチの遺骨を胸に旅へと出発するのですが、そこで流れていく情景が素晴らしく美しく、今まで見たアメリカの景色とは違ってみえました。

先日見た『ランド・オブ・プレンティ』もヴェンダース監督らしい、少し切ない気持ちになる景色でアメリカっぽくなかったのですが、この作品も街の息遣いが感じられる映像の連続で、新しいアメリカを見た気持ちになりました。

ルート66沿いに広がる青空やドリューの一人ダンスシーンはとても印象的です。

そして景色と共に流れていく数々の音楽!

エルトン・ジョンを始め有名な曲が多いと思うのですが、音楽が一人走りしているところは全くなく、とても作品と合っていましたね~

監督の、クレアがドリューに渡す地図に込められているのと同じ愛情が、この作品には詰まっているように感じました。

エリザベスタウン1

エリザベスタウン2

空中庭園

嘘で固められた家族の姿を描きながら、人間の真実を率直に伝えている作品でした。

小泉今日子演じる母・絵里子は思い込強すぎるあまり、真実が見えなくなってしまい学生の頃から自分の中で計画していた「家族」築くために全力を注いでいます。

真実と作り話と現実との境界がなくなってしまって、自分自身すら分からなくなっているんですね。

こんなに想ってくれている「家族」がちゃんといるのに、思い込みにより創られた虚像のせいで見えなくなってしまうのって、絵里子は極端な話ですが、実際私自身もよくやってしまっているんではないかなって思いました。

言葉で交わすことが全てではないんですね。

一見複雑な映画な印象ですが、伝えているメッセージはとてもシンプルでした。

豊田利晃監督は以前よりずっと好きでこの作品もとても楽しみにしていたのですが(『王手』の脚本の頃からファンです。)、公開直前の事件はショックでした。

感覚に強烈に訴えてきながらも洗練された映像をこれからも創り続けていただけるといいのですが・・・

あと、エンディング曲も素晴らしいのでぜひ最後まで席を立たずに見て欲しい映画ですね。

サントラではなく私はUAのベスト盤を購入しましたが、とても雰囲気のある映画とシンクロした曲で大好きです。

【映画からではなく、UAの写真】

UA

乱歩地獄

続いてしまいますね・・・、日本映画。

でも、これははずせない1本です。

名古屋では今週末よりの公開となりますが、なんと昨夜、スペシャルゲストとして浅野忠信さんが登場する先行上映会があったのです!!

これは見に行かない訳にはいきません(笑)

2スクリーンを使用して、トークショーも2回用意されていたのですが、席数の少ない方の劇場で見ることができたので、とっても近くで拝見することができました♪

ファッションセンスもさすがですが、オーラが違いますねぇ。

大きな体が一層大きく感じました。

でも話は親しみの持てる内容・話し方で、そのギャップがまたよかったです。(^-^)

映画もですねぇ、素晴らしかったです。

130分強の長めの作品なんですが、4本のオムニバスで構成されているのもあって、全然時間は感じませんでした。

そして、オムニバスと言っても4本が微妙に1つのラインで結ばれているため、バラバラな印象は全く感じませんでした。

江戸川乱歩の歪んだ愛憎の世界、血肉にまみれた世界、そしてコミカルな世界が見事に映像化されていたと思います。

ここまでやるの?!の連続でした。役者さん方にも拍手!!でしたね。

乱歩地獄

スクラップ・ヘブン


またもや、日本映画です。

やっぱり好きなんですよね。

しかも、季相日(リ・サンイル)監督は同世代ということもあり、『青~chong~』から注目しています。

若さに溢れながらも、しっかりとしたストーリー構成、熟練監督のような演出のバランスが好きです。

色彩のセンスもいいですね。

この映画だと、トイレの落書き、ファッション、青空などが印象的でした。

人生に不満を抱える若者の話もよくあるし、バスジャックとか拳銃を巡る話もよくあるけど、この映画はよくある映画とは言えないでしょう。

事件をきっかけに現代の3人の若者が集いますが、胸のうちを100%明かした仲の良い友達同士になるのではなく、お互いに拠りどころにいている部分もありながら、相手のことを理解できない、相手に打ち明けてない部分も持っている。

そんな、関係がリアルだなと思いました。

最近、同世代の監督の作品はそういう人間関係を描いていることが多いように思います。

『新世代』の特徴なのでしょうか・・・

オダギリジョーさん、加瀬亮さん、栗山千明さんもそういう意味ですは『新世代』と言われるべき役者さんですね。

『CUSTOM MADE 10.30』

東京国際映画祭ネタはちょっと休憩して、昨日見たカワイイ映画を1本ご紹介します♪

大ブレイク中の木村カエラちゃんと奥田民生さん共演が話題の『CUSTOM MADE 10.30』です。

(共演と言っても2人が同じ画面に映るのは1シーンだけなんですけどね。)

勉強よりも音楽が好きで、学校サボってバンドの練習に行って、ロンドンへの旅費を貯めるためにキャバクラでバイトしている女子高生、まなもをカエラちゃんが演じているのですが、生き生きしていてとても可愛かったです。

初主演にもかかわらず、とっても自然体・・・。

ちょっと、プロモーションビデオ的なものを感じてしまうシーンも嫌味なくサラリと見ることができました。

そしてやっぱり民生(あえて呼び捨て)は最高ですね。

ライブシーンをドキュメンタリー風に取り込んでいるのですが、あの肩の力の抜け具合、それでいて広島球場全てを飲み込んでしまう風格、かっこいいなぁと思いました。

エンディングで民生が巨大化するのですが、それくらいの存在感のあるライブシーンでした。

ちょっとファンタジーの入った作品全体の雰囲気と2人の雰囲気がぴったり合った映画でした。

一息抜きたい方にはおすすめですね。

名古屋でもまだまだ上映されるようなので、ぜひどうぞ♪

ミッドナイト・マイラブ

タイ映画です。

日本で公開されているタイ映画って数少ないと思うのですが、今年のアジアの風部門でも2作品と少なめでした。

もう1本の『シチズン・ドッグ』も変わった作品で面白かったのですが、それについてはまた後日・・・

アジアの、特に東南アジアの作品は夜のシーンの空気感が好きなのですが、この映画も湿度がいい感じでしたね。

過去に傷を持ったAMラジオだけが友達の無口なタクシードライバーと、風俗で働きながら家族に仕送りをしている女の子のほのかなラブストーリーなのですが、ところどころに入る奇想天外なエピソードが作品全体をカラフルにしています。

それが、また夜の街のネオンと一体になって作品の味になっていました。

上映後のティーチインでは、主演のウォンカムラオの大ファンという配給会社の方の熱のこもった質問も楽しかったのですが、私は主演の女優さんが可愛かったですね~

スレンダーな目のくりっとした美人さんでしたが、また別の作品でお目にかかれることを楽しみにしています☆

画像でご紹介できないのが残念っ


(ちなみにその方のお話では、この作品の配給権を現在交渉中とのことでした。

日本で公開される日も近いかも!?)

ゲルマニウムの夜

ゲルマニウムの夜

今回観た中で一番「来た」作品です。

花村萬月原作・大森立嗣監督・新井浩文主演と聞いただけでそわそわしてしまうのですが、期待以上の素晴らしい作品でした。

キリスト教における罪と赦しがテーマとなっていて、主人公である朧(ろう)はタブーを次々と犯していきます。

物語は暴力と性に彩られながらどんどん暗い部分に落ちていくのですが、不思議と全体のイメージは明るみを増してきます。

当初、人間味が一番薄かった朧が最終的には最も体温のある存在になってしまうのです。

新井浩文さんの透明感がとても感じられる演技が印象的でした。

東京都立博物館内に建設される「一角座」という映画館のみでの上映となるようですが、この冬東京に行く機会のある方はぜひ見て欲しいと思います。

あと、個人的に非常に嬉しい体験をしたのですが、なんとロビーにて麿赤児さんに遭遇してしまったのですっ

大森立嗣&大森南朋の兄弟競演に加えてお父様まで拝見してしまうなんて・・・

一生にあるかないかの経験に狂喜の一夜でした。

まずはご報告

10月22日より30日まで開催されていた『東京国際映画祭』に行って来ました。

4年ほど前から行っているのですが、年々規模が大きくなり盛り上がって来ています。

なかなか名古屋からの参加となると、旅費宿泊費と費用もかかるため何日も滞在することはできませんが、今年は過去最多の4日間となりました。

といっても、私用も含んでの旅行だったため、実際に映画を見たのは2日間だけだったのですが・・・

それでも、10本の作品を見ることができました。

でも、さすがに朝から深夜まで5本見るとヘロヘロになりますね。

これから数日はそれらの作品について、書いて行こうと思います。


ターネーション

とても美しい映画でした。

愛したい、愛されたい、気持ちがいっぱい詰まっていました。

11歳から撮りためた映像と幼い頃の写真、長い年月にわたるそれらの映像と言葉が愛と共にスクリーンからあふれ出てました。

レニーは美しい容姿を授かったけれども、幸せな生活を送ることはできなく、でも正気と引き換えに永遠に変わることのない息子の愛を手にすることができました。

ジョナサンは、母への無償の愛により自己を確認することができた。

そんな繋がりを持てる人が私にも存在するのだろうか・・・

ターネーション