例え、この声が届かなかったとしても
握った手は離したくなかった

一緒にいようとの約束が違えるなんて
あの時は思いもしなくて
 
握った掌の温かさに
いつまでも隣で笑っていられる気がしていた
 

伝えたい想いばかりが溢れるだけで
伝える術を知らないために上手く言葉にもできず


募った想いは
涙とともに流れ落ちた



独りぼっちの淋しさに何度も泣いて
淋しさを伝えようとしたけれど

言えなくて、ただ黙り込むしかできなくて
不機嫌にしかとられなかった

「大丈夫」が大丈夫でないことを分かって欲しかったけれど

気持ちは言葉で伝える…
その大切さを学んだ


強がりをどうにも出来なかったまま
終わってしまった恋だけれど


同じ過ちを繰り返さないように
これからに繋げていきたい…
 


同じ想いで泣かないように

繋いだ手を離さないように 
 
 
 

連絡先も画像もメールも
記憶に繋がる全てのものを消してしまえば楽にもなるのに
それが出来なくて
    
完全に消えてしまうことへの恐怖が
全ての行動を停止させる
   
  
別れてから余計に目に付くようになった、あの人の名前の字を見るたびに
胸を締め付けられる状況は重症で
  
「頑張らなくてもいいんだよ」
 
と言ってくれる言葉に本当に感謝だけれど
頑張らないと自分が自分でいられない状況にあって
  
 
未だに思い出される声も顔も匂いも
全てが愛しくて懐かしくて
  
現実には会えないくせに
夢の中に出てくるあの人を少し恨んでみるけれど
  
目が覚めた時の悲壮感は壮絶なもので
濡れた頬に自分でも驚き、そっと拭う
  
消せないもの全てを見ないように
開けないように頑張って
いつか、完全な思い出にできたらと思うけれど
  
それでもまだ
戻りたいと願う気持ちがあって
都合のいい女でもいいとさえ思ってしまう自分に溜息が出る
   
  
今までで一番の恋だったから
思い入れが強すぎて、まだ抜け出せないけれど
それでも、先はこれからだから
  
  
いつか、こんなことがあったと
笑顔で語れるように
  
隣に誰かいたとしても、いなかったとしても
先が明るいことを願って
  
だから、今日も
笑顔で頑張っていこうと思う
  
  

まだまだ泣くけれど
それでも、笑顔で・・・
  
  
  
  
  

気付けば
あんなに響きわたっていた蝉の鳴き声も消え

 
あんなに暑かった夏も終わりに近付き
少しずつ寒さが際立つようになってきて


全身で感じる寒さは
どんどんと心を凍らせる



寒さで動かない指は

指輪を外した時の違和感が

まだとれないけれど

  


それに慣れる頃には
違う世界が見えているのだろうか…



もうすぐで

あの人と付き合うこととなった

あの日がくるけれど
 

 
それまでに少しでも落ち着けたなら
未来はまだ明るいのに
  
  

  
凍った心が溶けるまで
まだ時間はかかるけれど
まだ涙も出るけれど



またくる明日のために

   


今夜も耐えて
明日は笑顔で頑張る…