■アメリカでは選手のDVに厳しい処罰
アメリカでは「配偶者や恋人など親密な関係にある、またはあった者からの暴力=DV(ドメスティックバイオレンス)」は深刻な問題行為であり、プロ選手はこれが明らかになれば、出場停止など厳罰を科せられる。
MLB選手で言えば、史上最速(170㎞/h)投手のアロルディス・チャプマン、強打の内野手ホセ・レイエスなど有名選手がDVで出場停止処分になっている。
今はソフトバンクにいるロベルト・オスナもクローザーとして活躍していたブルージェイズ時代にDVで75試合の出場停止処分になっている。
一度「DVをした」と認定されると、こうした出場停止処分を科せられるだけでなく、その行為の軽重に関わらず、MLB球団は、その選手の獲得に慎重になる傾向がある。
昨年までDeNAでプレーしたトレバー・バウアーは2020年にダルビッシュ有と競り合ってサイ・ヤング賞を取ったスター選手だ。
先進のトレーニング施設「ドライブライン」で自身の投球を「ピッチングデザイン」するなどデータ野球の先駆者としても知られるが、女性への性暴力疑惑を受け、MLBの調査対象となり、出場停止処分を受けた。
バウアーは刑事訴追はされず、民事訴訟は和解した。
一方でMLBからは規定違反として出場停止処分を受け、処分は最終的に194試合に短縮された。
その事件以降、バウアーがMLBで投げることはなくなった。
実力は十分だったが、イメージダウンを恐れてMLB球団は、バウアーにオファーを出さなくなったのだ。
DVなど暴力行為そのものもさることながら、その選手を獲得することによるチームのイメージダウンを恐れて、アメリカのプロスポーツは極めてセンシティブになっているのだ。
■「オラオラ体質の指導者」ではあるが…
日本のスポーツ界ではまだ「DV」によるペナルティの事案は多くはなかったが、阿部慎之助の今回の問題は、著名な野球人の家庭内暴力疑惑に対する対応として、大きな転機になるかもしれない。
ただし、阿部慎之助が日常的に暴力を振るっていたと断じる証拠は今のところない。














