阿部家が児相に頻繁に相談をしていた事実は確認されておらず、長女は「警察が来て一番驚いているのは自分自身」とする趣旨の手紙を出している。

家庭内のトラブルが、ChatGPTの回答をきっかけに児相、警察へとつながり、大事になった可能性もあろう。

確かに、阿部慎之助は「オラオラ体質の指導者」だとみなされている。

2012年の日本シリーズで、投手澤村拓一がサイン違いをしたときに、捕手の阿部がマウンドへ行って澤村の頭を軽くはたいたシーンは生中継中でもあり、大きな反響を呼んだ。

それは「暴力」というようなものではないが、先輩選手の阿部が後輩を雑に扱っていると見えなくもなかった。

また阿部は巨人二軍監督時代の2020年、巨人が早稲田大学とのプロアマ交流戦で敗戦した際には「試合内容が悪すぎる」として全選手に「罰走」を命じた。また打ち込まれて降板した投手にその場で「罰走」を命じることもあった。「罰走=失敗した罰として走らせる」こと自体が旧弊で、効果に乏しい指導であるとされるなか、阿部は、今の野球界では「古いタイプの指導者」という評価があったのも事実だ。

しかし阿部はかつての昭和の指導者のように、エラー、凡退した選手をベンチ裏で殴りつけるような常習的な「暴力指導者」だったわけではない。

むしろ今回注目すべきなのは、阿部個人の指導者像だけでなく、巨人という球団がこの種の不祥事にどう対応したかという点だ。

巨人は、2012年、週刊文春が報じた原辰徳監督の現役時代の女性関係をめぐるトラブルとそれによる「1億円恐喝」について文春を提訴したが敗訴している。

また、2022年に同じく週刊文春が報じた坂本勇人の「女性トラブル」問題については坂本に何らペナルティを与えなかった。

■球団が即座に全面謝罪した背景は?

しかし今回は、事件発覚後、巨人の国松徹球団社長は「暴力は許されないことで極めて深刻に受け止めています。

交流戦前夜に重大な不祥事を起こし、すべてのプロ野球関係者とファンの皆様に謝罪します。

阿部慎之助監督については進退を含め処分を検討します」と即座に、全面的に謝罪した。